食肉用ニワトリの捕獲に警備員、探偵…転職を繰り返す男の風変りな半生 (2/2ページ)
今度は交通整理で使う誘導棒の扱いに誰よりも習熟しようと、努力を重ねていくが、またしても事件が起こり、経営者と対決するハメに…。
華やかな業界でもなく、誰に注目されるわけでもない仕事を転々とする「私」だが、「日々を生きる金のために働く」というニュアンスがまったくない(もちろん、裕福なわけではないし、「私」には子どもが4人いる)のがおもしろい。ひたすら「目の前の仕事」「目の前の人間関係」に対峙して、思い通りにいかないことも笑い飛ばすたくましさは爽快さすら感じられる。
せっかくの人生、楽しむためには、悩んでいる時間なんて無駄、とばかりに先のことよりもとにかく「今」を生き続ける主人公に励まされる人は、きっと少なくないはずだ。「作り話」と銘打った割に、エピソードが生々しく、どことなく「実話くさい」のも味わい深いポイントだ。
(新刊JP編集部)