松本人志、メッシも恐れる……NHK紅白司会・内村光良を襲う「最大の敵」
2020年、コロナ禍で多くのイベントが余儀なくされた「無観客」での開催。人前に立つタレントにとって、客がいないという事態の影響は、多大だったようだ。
それは、大ベテランの視聴率男・ウッチャンナンチャンの内村光良(56)でも変わらない。12月25日の『あさイチ』(NHK)で、『第71回NHK紅白歌合戦』の総合司会を務める内村は、無観客の辛さを吐露していたのだ。
「17~19年まで3年連続で紅白の総合司会を務めていた内村ですが、そもそも内村は生放送が苦手らしく、“毎回、えずいてますよ、本番”と、生番組の『あさイチ』についても“きょうもさっきトイレでえずいてましたよ”としていました。そして、無観客についても触れたんです」(女性誌記者)
20年末の紅白は、史上初めて無観客で行われる。そのため「本当にお客さんいない所でやるんだって思うと、すごく、まったく勝手が違う、今までと違う緊張感があります。審査員の方もきっと遠いでしょうし、密になれないのがどうなることやら、って感じですね」
と語った。
■ウケているのかスベっているのかわからない恐怖
さらに内村は、お笑い芸人だからこその苦しみも明かしている。
「お笑いをやっていると怖いじゃないですか、お客さんの笑いが一切来ないっていうのが。手応えのない中、どうやるんだっていう」「お客さんの拍手とか歓声で盛り上がり、臨場感って出てくるじゃないですか。それがないっていう中で歌手の皆さんも大変だと思いますね、歌うということに対して。いかにカメラを通して熱を伝えるかっていうのが一番大事になってくるのかなって思う」
と、コメントしたのである。
「お笑いは、観客がいないとネタがウケてるのかスベってるのか分からない。3月8日に“ひとり芸”No.1決定戦『R-1ぐらんぷり2020』が無観客で行われましたが、スタッフと審査員たちの笑いだけが響く空間でした。優勝はマヂカルラブリーの野田クリスタル(34)でしたが、理由も“完全なる無観客の中でやるネタ番組とかあって、メンタル鍛えられて、『あらびき団』(TBS系)というんですけど(笑)”と、慣れが大きな影響を与えていたことを優勝インタビューで明かしています」(お笑いプロ関係者)
■ご意見番・松本も指摘
ダウンタウン・松本人志(57)も『R-1』前日の3月7日にツイッターで、「無観客のR‐1グランプリ。お客さんの笑い声がないと審査員もたいへんだ。センスが問われるからね。明日はしびれるね」としていたほか、3月15日の『ワイドナショー』(フジテレビ系)では「かわいそうやったのは急に無観客って決まっちゃった。最初から無観客ってわかってたら、皆さん、それなりに違うネタのやり方があったんだろうな」と出場者たちをフォローし、「そういう意味では、野田クリスタルは本当に向いていたなと思う」としていた。
ちなみにマヂカルラブリーは、お笑い界最大のイベント、『M-1グランプリ』でも優勝し、野田クリスタルはピン芸人としても漫才師としても、頂点を極めたことになる。
「スポーツ業界でも同様の事態が起きていて、たとえばプロレスです。5月15日、プロレス団体『DDTプロレスリング』がオンライン配信『リモートプロレス』を実施しましたが、その理由をDDTの高木三四郎社長は、“歓声がない環境での相手の攻撃は痛く感じがち”としていました。スポーツやライブは観客の応援やブーイングが一体感を生んで盛り上がりますからね……」(専門誌記者)
■ゴルフやサッカー業界も
世界的なスターも悩みを告白している。世界ナンバーワンのサッカー選手・バルセロナのリオネル・メッシ(33)は、12月21日にスペインの『マルカ』紙に「ファンがいない状態でプレーするのは最悪。とても醜い感覚になる」「スタジアムに誰もいないと、まるでトレーニングセッションのよう。試合に入っていくのが難しい」
と、嘆いているのだ。
個人競技のゴルフでさえ、プロゴルファーの羽川豊(63)は12月23日、『日刊ゲンダイDIGITAL』のコラム「プロの目」にて、
《ナイスショットしてピンそばについたり、厳しいパットを決めた時でも、自己満足に終わってしまい、「さあ、攻めて行くぞ」と勢いをつけてリズムに乗っていくことができません》
と、2020年のゴルフに関して書いている。
いかなる状況にあっても、嘆きつつも順応できる人こそ、真のプロフェッショナルなのかもしれないーー。