不安を感じやすい今 心が軽くなる無頼作家ブコウスキーの言葉 (2/2ページ)
ただ、このポンコツ探偵、憎めないことにところどころでいいことを言う(心理描写のケースもある)のである。
誰もがいつかはやられちまう。勝者なんていない。勝者みたいに見える奴がいるだけだ。俺たちはみんな、なんにもならないものをあくせく追いかけまわしてる。来る日も来る日も。生き残る、それ以外に必要なことなんてありそうにない。でもそれじゃ足りない気がする。(P188)
どんな生き方をしても、死ぬのは一緒。死んだら一緒。ならばいい暮らしすることも、仕事に打ち込むことも、もしかしたら幸福を追い求めることすら意味がないのかも。
あの世に行くときはみんな一文なしだし、たいていは生きているときからそうだ。じわじわ弱っていくしかないゲーム。朝、靴をはけるだけでも勝利だ。(P122)
もっと自分を認めようというメッセージが伝わる言葉。朝目を覚まして、起き上がったり、靴をはいたりできる自分をほめよう。そのうちできなくなるのだから。
よし。これでまた独りきりでいられる。情けない俺だけど、ほかの連中といるよりはまだマシだ。みんなどこかで、みじめな芸やら宙返りやらに明け暮れてる。(P132)
家にこもりがちで、孤独を感じやすい昨今。自分を卑下したくなるが、他の人だってたいしたことをやっているわけではない。
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ピンチを宇宙人がやってきて救ってくれたり、その宇宙人に地球に植民するための仲間になれと言われたり。大昔に死んだ小説家が登場して、車にはねられて(また?)死んだりと、なにかとはちゃめちゃなストーリーが笑える『パルプ』だが、全編にちりばめられるブコウスキーの優しさにあふれる言葉に注目してみるのもおもしろい。
何かと不安を感じやすい今の時期にぴったりの読書体験になるのでは。
(新刊JP編集部/山田洋介)