森七菜『天気の子』「オロナミンC」CM『エール』ほか、さまざまな表現を可能にする「命のかたまり」の人 (2/2ページ)
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行定勲
さらに、2020年はNHK連続テレビ小説『エール』でヒロインの妹役を演じ、『この恋あたためますか』(TBS系)でドラマ初主演を務めるなど、彼女にとってさらに飛躍の年となった。
また、同年1月には自身が歌う『カエルノウタ』をリリース。『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)に初めて出演した時を、彼女はこう振り返る。
「緊張しすぎて始まる前から泣いてたんですよ。始まる前と終わった後は、すごい泣いてました」(『ミュージックステーション』2020年1月15日)
また、同年にはホフディランの楽曲『スマイル』をカバーしたオロナミンCのCMが話題となった。キーボードの弾き語りをしているバージョンは一発撮りだったらしい。
瑞々しさ、ナチュラルさ、ピュアさ、透明感――“新人女優”を形容する際のさまざまな定型句を集めて擬人化したような存在感。今この年齢やキャリアでしか見ることができないのだろう“森七菜”が、あのCMではファーストテイクで活写されている。なるほど、「命のかたまり」という表現がぴったりくる。
他方で、朝ドラ『エール』では冷静で少し気難しい性格も併せ持った妹役も演じていた彼女。“100%の晴れ女”を演じた『天気の子』とは対照的な、少し曇ったような声での演技が印象的だった。
演じる上で心がけていることについて、彼女はこう語る。
「あまり何も決めてないとこですかね。自分の中でルールがないところが決まりというか」(『A-Studio+』同前)
作品に応じてさまざまな形に発現できる。そういった意味でも彼女は「命のかたまり」なのかもしれない。
(文・飲用てれび)