ドラマ『オー！マイ・ボス！恋は別冊で』（ＴＢＳ系）に出演する、Ｋｉｓ－Ｍｙ－Ｆｔ２の玉森裕太（３０）が演じる潤之介の、イケメンなのにふわふわした空気感についやられてしまう。本人のイメージに近すぎる雰囲気にめまいがしそうだ。

■玉森裕太の彼女感が味わえる贅沢があふれている

　潤之介のスペックがとんでもなく高いことにまず驚かされる。実家は金沢で製紙会社を経営している御曹司、現在は雑誌のカメラマン、タワマンに住んでいて、買い物をする時はブラックカードを出しちゃう。カジュアルなのに上品な服、カルティエの腕時計、金色のリングピアス。イケメンがカメラマンというだけで十分カッコいいのに、生まれも育ちも今の生活にも抜け目なくカッコいいってずるい。

　母親から結婚と会社を継ぐことを度々迫られていることに困って、ひょんなことから出会った奈未（上白石萌音・２２）に恋人のフリをしてもらうことになるが、まあなんというか距離が近い。物理的な近さはもちろん、まるで彼氏かのような振る舞いに勘違いしてしまいそうだ。そして玉森が出演しているホームケアブランド『ラボン』のＣＭで見せる彼氏感、日常的に穏やかな雰囲気にも通じていて、ファンにはたまらない設定なのではないか。そして、本当に付き合っているのではないかと錯覚する程に優しくて甘いのに、実は心を開いていないと感じるところも本人に近いように感じる。ドラマでは幼馴染・理緒（倉科カナ・３３）の存在がキーになりそうなのだが、これは今後の楽しみにとっておきたい。

■人並みって何だろう……、責任の取り方を考えさせられた

　奈未の上司であり潤之介の姉・麗子（菜々緒・３２）が、仕事に不満を持つ奈未に無理難題を与え冷たく言い放っているようで、実は大切なことを言っている。２話では、

「あなたは人並みでいいとか言って、努力することから逃げているだけ。人並み人並みって言うなら、まず人並みの責任を取ったら？」

　これは奈未に刺さる言葉だった。そもそも『人並み』とは、それぞれの価値観によるもので、それこそ、潤之介の生活環境や麗子の美貌に段違いのレベルを感じることがあっても、仕事となれば別だ。それぞれの立場に見合った仕事に、責任が伴う。例え失敗しても、どう受け止めて次に生かすかで成長していけるし、どう取り組んだかは周りの人間が見ている。奈未が未熟なのは明らかだが、真摯に受け止めて努力をし、最終的な目的だった『表４広告とタイアップ２ページ』を取り付けたきっかけになったのはお見事だった。出来ないなりに出来ることをする、その上で『人並み』を語ることが許される。奈未が考える『人並み』がどうなっていくのか、麗子がどう導いていくのか、潤之介も変化していくのか注目していきたい。

■潤之介の思わせぶりに酔ってしまいそう

　奈未が潤之介に、恋人のふりするのをやめようと申し出たら、

「そっかぁ……寂しいなぁ。付き合っていたのは嘘なのにさ、別れるのは本当みたいで」

　と言って、返そうとしたブレスレットはプレゼントにして握手を求めてきた。このブレスレットを見るたびに出会った時のことを思い出すし、『気合入るから』って付けてくれたお守りみたいなもんだったよね、なんて思ってしまいそう。

　そして、スタジオに小道具のレモンを届けるのに坂道で転がしてしまうとかベタすぎる展開で、最後の１個を潤之介が拾ってくれる。これをスタジオまで一緒に届けてくれるとか、ありえないけどありえそうなのが潤之介の魅力だ。スタジオまでの道中で、

「会いたかったんだ、奈未ちゃんに。（中略）奈未ちゃんなら最後まで俺の願い頑張ってくれると思ったから。信じられると思ったから。だから俺、奈未ちゃんがよかったんだ」

　と、奈未の存在を肯定した上に、別れ際に腕をつかんで、

「俺のこと、好き？」

は反則じゃないですかね……、そんなキュルキュルの目で真正面から言われたらどう返答したらいいか分からないでしょう。ドラマのタイトルに『恋は別冊で』とあるけれど、特別付録としては特段に豪華な別冊になりそうだ。

（文・青石 爽）

『オー！マイ・ボス！恋は別冊で』は、大手出版社から新創刊される女性向けファッション雑誌編集部を舞台にしたオリジナル脚本。鈴木奈未（上白石萌音）は地方の田舎町で生まれ育ち、普通・人並み・安定を求める平凡な女性。ひょんなことからファッション雑誌の編集部で働くことになり、超ドＳ上司・宝来麗子（菜々緒）に振り回されたり、子犬系イケメンカメラマン・潤之介（玉森裕太）にキュンとしたりと、仕事に恋に悪戦苦闘しながらも成長していくお仕事＆ラブコメディードラマ。１月１２日から火曜日２２時、ＴＢＳ系で放送。