『俺の家の話』戸田恵梨香と桐谷健太が黒幕? 油断できぬクドカン脚本の恐ろしさ
『俺の家の話』(TBS系)第1話が1月22日に放送され、初回平均視聴率が11.5%(世帯/ビデオリサーチ調べ/関東地区)と10%を超えた。
主演で長男の寿一を演じる長瀬智也(42)の存在感は、不思議な温かさをドラマに与える。見た目の「誠実な男くささ」のせいもあるが、なんだろう、彼の、家の重要な部分に太い柱がドン! と立っている感じの大丈夫感……。
第1話では、プロレスラー・ブリザード寿として活躍する彼に、父親・寿三郎危篤の知らせが飛び込み、病院で久しぶりに弟の踊介(永山絢斗/31)と妹の舞(江口のりこ/40)と再会する。時の流れは残酷で、寿一と2人の間はギスギス……。
このあたりは相続モノにありがちなプロローグだ。しかしそのギスギスを、長く引っ張らないのが本当に良かった。今は正直、人間が争うドロドロシーンを長く見たくない。ご時世的に、いろいろあるので疲れてしまう。父親、寿三郎役の西田敏行(73)のユーモラスな存在感も心救われる大きな要素だ。介護「される側」の演技って、本当に大変だと思うのだ。
タオル一丁で、長瀬に体を持ち上げられるシーンは見ているこっちがドキドキするが、決して絶望的にならない。さくら(戸田恵梨香/32)ではないが、私も「ジュジュカワイイ!」と思ってしまった。
■戸田恵梨香の底知れなさ
その志田さくら役の戸田恵梨香の異物混入感は、もうさすがとしか。「ジュジュだからできるんだぉ♪」と甘え声を出しつつ、飄々と見せる計画性。「いかにもしたたかな後妻業の女」というイメージではなく「私も幸せだし相手も幸せにしてるんだし、いいじゃん?」というケロッとした感じが、逆に後妻業ってこんな感じなのかもと思ってしまう。本当に恐ろしい女優さんである。
物語的にも、寿三郎の日常を理解しているのが、さくらと弟子の寿限無(桐谷健太/40)という赤の他人であるのが、なんとなくリアルだ。寿限無役の桐谷は、正直、プロレス仲間のほうがしっくりくるイメージがあるが、今回は「静」の魅力で物語を支えるようなので、こちらも期待。実は裏でさくらと結託し財産を狙っていたりして……。なにがあってもおかしくないのが、宮藤官九郎(50)脚本である。油断できない!
全体的にコメディタッチなのでサラッと見ることができるが、テーマは重い。伝統芸能、介護、相続、後妻業。ここに学習障害まで入れ込んでいるが、伏線回収の達人、宮藤官九郎はどんな選択肢を持ってくるのか。
1月29日放送の第2話では、ネットでさくらの過去の写真を発見した踊介が、秘密裏に調査を始める。さらに寿一は寿限無に借金を申し出るが、驚愕の事実が明らかになる。もしかして、寿三郎が個人的にお金使い果たして財産すっからかんなのか……? 大事なことなので二度言う。宮藤官九郎脚本である。なにが起きてもおかしくない!(田中稲)