科学の名のもとに。72匹の毒蛇と72時間一緒に過ごした爬虫類学者、ヘビは怒らせなければ襲ってこないを証明
毒蛇と72時間囲いの中で一緒に過ごした爬虫類学者 / Our Retorts
「ヘビは怒らせたりしなければ襲ってこない」それを証明するために、囲いの中で72匹の毒ヘビと共に72時間(3日間)も過ごした爬虫類学者がいる。
爬虫類が大好きなインドのニーラム・クマール・カイレ博士は若かりし頃、見事それを証明し、世界ギネス記録保持者となった。
・ヘビを愛する青年
ニーラム・クマール・カイレ博士がまだ博士になる前の話をしよう。ヘビを愛してやまない彼は20代のはじめ、ボンベイ近郊のマテランにある別荘のマネージャーとして働いていた。
その別荘ではヘビが頻繁に出没していて、ほかのスタッフたちはヘビを見つけるたびに殺していた。しかし、カイレ氏は決してそんなことはできなかった。
「マテランのその別荘地ではしょっちゅうヘビが現れました」カイレは語った。
あんな美しい生き物を殺すなんて、考えられませんでした。ほとんどのヘビは無害なのです。だから、わたしはヘビを捕まえて、サヒャドリの丘に放すことにしました。一度、捕
まえたヘビをボンベイのハフキン研究所に持ち込んだことがあります。このヘビには毒があり、非常に危険だと言われましたが、こうしたことで、ヘビに対する勇気がわいてきて、ますますのめりこむようになったのです
それからカイレは、自宅の裏庭に小さなスネークパークを作り始めた。いずれは、研究センターを併設した完璧なスネークパークを設立しようと計画を練っていた。

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・一度も噛まれることなく、72匹の蛇と72時間共に過ごす
1980年、カレイ氏は28歳となり、ハラシュトラ州プネー市にあるホテルで受付係をしていた。
その1年前、南アフリカ人のピーター・スナイマリスが1年前に24匹の毒蛇と50時間過ごすという世界記録を打ち立てた。
ヘビは怒らせなければ襲ってこないと確信していたカレイ氏は、この記録を打ち破るべく、地元の警察などの反対を押し切って、1980年1月20日、72匹の毒蛇がうじゃうじゃいるガラスの囲いの中に足を踏み入れた。
この試みのルールとして、ギネス側からは一日のうち30分は囲いの外に出てもいいということになっていたが、当時28歳の血気盛んな若者だったカイレ氏はこれを断り、72時間の間、一度も外に出なかった。

カイレ氏と72匹の毒蛇たち(タイコブラ27匹、ラッセルクサリヘビ24匹、インドコブラ9匹、マルオアマガサヘビ8匹、その他4匹)は、ガラスの囲いの中で3日間、72時間を共に過ごした。
ヘビがカイレ氏に興味を示して、膝の上に上がってきたりすると、そっと持ち上げて、優しく地面に戻さなくてはならなかったが、噛まれたことは一度もなかった。
72時間が過ぎ、ついにカイレ氏は新記録を打ち立て、その名をギネスに刻んだ。
カレイ氏の「ヘビは怒らせなければ襲ってこない」という仮説はここで証明された形となる。
Man Spends 72 Hours In A Cage With 72 Venomous Snakes || To Prove Snakes Do Not Bite Unless Provoked
・蛇と動物たちを守るためその生涯をかけるカイレ氏
だが、これは彼の計画の序章にすぎなかった。
この偉業のおかげで、スネークパーク建設が実現する運びになり、1986年、プネー市の支援を受けて、ついにカトラージ・スネークパークが完成した。
のちに、このパークはラジーヴ・ガンジー動物園として知られるようになった。
カイレ氏は、インドで爬虫類動物保護センターを作った最初の人物となり爬虫類学者となった。その生涯の全てを蛇や動物たちのために捧げている。
現在は次の新しい世代に、自然環境に敬意をはらうように働きかけている。そのために、環境と農村開発普及の両立ための学校も設立したそうだ。
念のために言っておくが、カイレ氏はヘビについて詳しく学び、きちんとした知識を持ち合わせた上でチャレンジを行ったわけで、今回はたまたまうまくいったが、生き物は予想外の挙動を起こすこともある。良い子のみんなはマネをしないでね。
References:The Story of a Man Who Spent 72 Hours with 72 Venomous Snakes To Prove They Only Bite if Provoked/ written by konohazuku / edited by parumo