新時代への反骨精神?江戸への旧懐?“最後の浮世絵師“ 小林清親が魅せる多彩な才能 (2/3ページ)
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小林清親
『清親放痴 東京大川端新大橋』(国立国会図書館デジタルコレクション)
着物がはだけ、傘まで破ける程の強風の中を歩く女性を描いた『東京大川端新大橋』。私達が日常的に使用している洋傘は文明開化の下で庶民にも普及するようになり、流行に敏感な東京の女性を中心に大流行となる。
東京には洋傘片手に歩く女性の姿が多く見られたことだろう。「どんな強風に吹かれたって、絶対に傘を手離さない!だって私は常に流行の最先端にいたいもの!」。
これはそんな必死に世の中の流行に乗ろうとする女性を揶揄した作品だ。
明治の革新から古き良き江戸趣味へと変化する作風
左『武蔵百景之内 道灌山』小林清親 右『名所江戸百景 内藤新宿』歌川広重(国立国会図書館デジタルコレクション)
明治17(1884)年には歌川広重の『名所江戸百景』にインスパイアされた、『武蔵百景之内』を刊行。近くの物体を大きく描く構図をはじめとする多くの共通点が見られ、清親が「明治の広重」と呼ばれる所以となった。