吹雪で立ち往生していた車の運転手に、道端で保健所職員がコロナワクチンを接種。無駄を防ぐため(アメリカ)
新型コロナワクチンを無駄にしないため、希望するドライバーに接種:/Facebook
アメリカ・オレゴン州南西部の高速道路で、吹雪により車が立ち往生するという事態が発生した。
ジョセフィーン郡のコロナワクチン接種場所から別の離れた場所へ移動中だった同郡保健所職員らの乗る車もその渋滞に巻き込まれていた。
手元にはもうすぐ期限切れになってしまう6回分のワクチンがあった。そこで、大切なワクチンを有効に使う為、車の運転手らから希望者を募り、道端でワクチン接種を行い、全て使い切ったという。『ktvl.com』などが伝えている。
・ワクチンを持って移動中の保健所職員、吹雪で立ち往生
オレゴン州南西部ジョセフィーン郡の保健所職員ら約20名は、1月26日に米モデルナ製のコロナワクチンをケープジャンクションにある高校のワクチンクリニックに搬送し、集団ワクチン接種を実施した。
その後、残った6本のワクチンを約50km先のグランツパスに搬送する途中、猛吹雪のために高速道路で立ち往生する事態となった。
ワクチンの有効期限は残り6時間となった。このままではワクチンの期限が切れ、無駄になってしまう。
そこで職員らは、高速道路で身動きできず列をなしている車の運転手らに、「コロナワクチンの接種希望者はいるか」と次々と声をかけて回った。
・ワクチンを無駄にしないため、希望者にその場で接種
保健所職員らに突然声をかけられた車のドライバーたちは、様々な反応を見せたようだ。職員のマイク・ウェーバーさんはこのように話した。
ほとんどの人は、予期せぬ場所で思ってもいないワクチン接種希望を申し出られて、びっくりして笑っていました。
こんな状況でワクチン接種の機会が来るとは思ってもいなかったと、大喜びしたドライバーもいました。
立ち往生していたドライバーのなかには、集団ワクチン接種の会場に向かう途中だった保安官事務所の職員もおり、職員の申し出を受けて、道路脇でワクチン接種を受けた。
万が一、接種による副反応が出た場合に備えて、ジョセフィーン郡から救急車も到着し待機。幸いにもこの「即席ワクチンクリニック」で、6本のワクチンを使い切ることができた。
ワクチンは2回接種が原則だが、今回1度目の接種をできたドライバーらはメールでカードを受け取り、4週間以内に2回目の接種を受けることができるという。
・保存期限が短いワクチンを無駄にしない動き
アメリカでは、現在、医療従事者やキーワーカー、65歳以上の人を対象に接種が進められており、それ以外の人はまだこれからだ。
だが、ファイザー社やモデルナ社のワクチンは超低温保存が必要で、冷凍庫から出してふたに穴を開けるとすぐに傷んでしまう。
アメリカではワクチンを無駄にしないための動きが起きているようだ。
1月初め、ワシントンでも、スーパーマーケット「ジャイアントフード」の買い物客が、偶然、新型コロナウイルスのワクチン接種を受けることができたようだ。
そのスーパーには店内にドラッグストアが併設されており、そこでワクチン接種の予約したのにやって来なかった医療従事者がいたため、店内にいた買い物客である法学生のデービッド・マクミランさんと友人に声がかかったそうだ。
Law Student Goes to Grocery Store, Comes Home Vaccinated
いくつかの病院では、営業時間が終わる直前に、たまたま近くを通りかかった人に声をかけ、ワクチン接種を希望するか尋ね、希望者に接種することがあるという。すぐに期限切れになってしまうワクチンを無駄にするくらいなら、優先順位にかかわらず希望者に接種するという合理的な判断なのだろう。
written by Scarlet / edited by parumo