宮脇咲良と渡辺麻友がWセンターに選ばれた「ニューヒロイン誕生を予感させる」選抜発表の瞬間

日刊大衆

宮脇咲良
宮脇咲良

 いま日本を代表する女性アイドルグループに目を向けてみると意外にも「選抜制度」というシステムをとるグループは減少傾向にある。AKB48の代名詞である選抜総選挙も2018年の開催から2年連続で行なわれておらず、今後も行なわれるかは分からない状況。そもそもアイドルにとって選抜制度って必要なのか? 様々な女性アイドルグループを例に出し、徹底的に考えてみよう。

 AKB48グループの選抜メンバー発表は、メンバーに事前に知らされている場合と、そうでない場合がある。リリース日が決定し、ミュージックビデオの撮影が終わった状態での発表では、ファンの注目点は初センターや初選抜だが、メンバーのリアクションは落ち着いていて、話す内容もしっかりしている。選抜メンバー以外のメンバーには知らされない場合もあり、その場合、選抜から漏れたメンバーやファンは落胆の色を隠せない。

 メンバー本人に事前に知らされずに、コンサートやイベント会場でファンの前で選抜発表がある場合には、よりドラマチックな形になる。初センター、初選抜の発表にはファンの歓声や拍手で盛り上がり、選ばれたメンバーはなんらかの感想を求められ、涙ながらのスピーチがより感動を生むこともある。選抜総選挙もひとつの選抜発表だが、サプライズ感よりはスピーチの内容に注目が集まることのほうが多い。

 いくつかある選抜発表の中で私が一番印象に残っているのは2014年9月に開催された『AKB48グループじゃんけん大会2014(第5回じゃんけん大会)』で発表された選抜発表。シングル曲のタイトルは『希望的リフレイン』。

■じゃんけん大会で優勝を勝ち取ったのは

 AKB48は2012年から3年連続で東京ドームコンサートが開催できるほど勢いにのっていたが、14年は大島優子の卒業コンサートが行なわれた年でもあり、渡辺麻友にバトンを渡したいところでしたが、若干の閉塞感もあり、ニューヒロインを模索し始めた時期だった。そんな年のじゃんけん大会で優勝を勝ち取ったのは強運の持ち主・NMB48の渡辺美優紀。当時の高橋みなみ総監督がじゃんけん大会の総評を話すタイミングでサプライズでシングルの選抜発表があった。先にダブルセンターと発表があり、渡辺麻友と、宮脇咲良の名前がレコード会社のプロデューサーから読み上げられた。

 その時の宮脇咲良は顔に手を当てて「ムリムリ」といった様子で涙ぐんでいる。次々と発表されて一喜一憂するメンバーたち。泣いている宮脇を高橋みなみがステージに連れていく。渡辺麻友は宮脇に寄り添い「大丈夫だよ」と小さくささやいていた。いまでもこのシーンは目に焼き付いている。ニューヒロイン誕生の瞬間だった。『希望的リフレイン』はフォーメーションがきれいなWセンターで、イントロでは後ろ向きのダンスから、円を描くようにメンバーが移動していき2人のセンターが浮かび上がって歌い出す振り付けで、いまでもよく歌われ、ファンに愛されている楽曲。

 このあとに何度かドラマチックな選抜発表はあったが、この時ほど記憶に鮮明に残っている発表はなかったため、これをベスト1の名場面として選んだ。

(EX大衆2021年2月号「アイドルにとって選抜とは何かを考える」AKB48選抜発表名場面)文●岡田隆志

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