テレワークで「うつ」になる人も。IT技術者たちのメンタルを守るためには (2/3ページ)

新刊JP

「労働時間が長すぎて辛い」と周囲に助けを求められればまだいいが、それができる人ばかりではない。自分の不調を伝えられずに追い込まれていく「サイレントうつ」と呼ばれる人もいる。さらにこのコロナ禍におけるテレワークの増加が、それに拍車をかけている恐れがある。浅賀氏は「経営者や管理職にはより一層、労働時間を把握したうえでの対処が求められます」と警鐘を鳴らす。

2つめは「成果主義と描けないキャリアプラン」だ。日本では「成果主義」型の人事評価制度が導入されてきつつある。しかし、この成果主義がメンタルの不調をもたらす要因の一つとなっているという。例えば「評価基準が明確ではない」「評価の公平性確保が難しい」といったことから、「社員間の連携、人間関係への影響」、さらには「成果が把握しづらい」ということもある。
その上で、これまでの年功序列制度なら「何歳になったらこのクラス」といったキャリアのイメージが掴みづらくなり、キャリアプランを組みにくくなったという声があがっている。

3つめは「ジタハラ」だ。これは「時短ハラスメント」のことで、「残業するな」「早く仕事を切り上げろ」と言われる一方でやらなければいけない仕事量は減らず、山積みの状態で仕事場を離れ、持ち帰り残業をすることになってしまう。現場では「やらないでいい業務」をなかなか判断できない。これを解決するには、経営・マネジメント層自らが判断し、全社の方針として徹底させていくことが求められる。

4つめは「職場での人間関係」だ。特に問題なのが「上司との人間関係」である。特定の人へのえこひいきが見られたり、指示が朝令暮改であったり、見せしめのように叱って威圧するような理不尽な上司にあたってしまうと、メンタルを病んだり、仕事の生産性が下がってしまう。また、中間管理職には理不尽上司と部下との板挟みで悩むケースも見受けられるという。

この4つの要因の上に、IT業界ならでは要因が覆いかぶさってくる。本書では「多重下請け構造」や「客先常駐」、「ドッグイヤー」(技術革新のスピード)といった要因が挙げられており、業界内部にいる人であれば頷けるのではないだろうか。

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