『鬼滅の刃』は『ガロ』から生まれた!? 吾峠呼世晴が本当に影響を受けたマンガとは (2/2ページ)

まいじつ

しかしアレンはAKUMAにされている魂に同情するタイプであり、教団の人間とは衝突しがち。そう、まるで鬼に同情する炭治郎のように…。また家族をAKUMA(鬼)にされてしまう点や、仮面をつけた師匠が登場する点も、両作品に共通する要素だ。

さらに「鬼滅の刃」以前の短編作品を読むと、吾峠の異なる一面が見えてくる。ジャンプ新人賞に入賞した『過狩り狩り』は、人を喰らう鬼とそれを退治する剣士という、「鬼滅の刃」と同様の設定。しかしその作風は、演出の方法や表情の描き方に至るまでジャンプらしからぬ雰囲気を漂わせていた。マンガ通の間では、『ねじ式』のつげ義春やアングラマンガ雑誌『ガロ』の影響も指摘されている。

「鬼滅の刃」吾峠呼世晴先生も漫画賞投稿からデビューされました。投稿作「過狩り狩り」は主人公の顔を隠した意表をつく扉絵で、編集部が「1ページ目から気になる漫画が来た」とザワついたのをよく覚えています。下記リンクから無料で読めます!新世界漫画賞10月期も募集中!https://t.co/Zjx0qa6lz8 pic.twitter.com/jWLsX86O8H

— 少年ジャンプ漫画賞 (@jump_mangasho) October 17, 2020

https://platform.twitter.com/widgets.js

2019年には「過狩り狩り」を含む短編を収録した『吾峠呼世晴短編集』が刊行されているが、この本は〝鬼滅以前〟の吾峠ワールドを堪能できる一冊。人間を凌駕する化け物、この世のことわりを外れた呪い、不幸な生い立ち…アングラ作家としての力量がいかんなく発揮されている。ちなみにあとがきでは、虫に変化する兄弟が出てくる作品について『妖怪人間ベム』の影響が語られていた。

人間でありながら鬼となった禰豆子のように、吾峠はジャンプのメジャー作品とアングラマンガの血を共に受け継いでいる。「鬼滅の刃」が化け物級の面白さとなったのも、当然と言えるだろう。

文=猿田虫彦
画像=

「『鬼滅の刃』は『ガロ』から生まれた!? 吾峠呼世晴が本当に影響を受けたマンガとは」のページです。デイリーニュースオンラインは、エンタメなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る