元祖トレンディ女優・浅野ゆう子は「ザ・中庸」のとんこつラーメンがお好き!

日刊大衆

※画像は『ゴールデン☆ベスト 浅野ゆう子~RCA/FUNHOUSE YEARS』より
※画像は『ゴールデン☆ベスト 浅野ゆう子~RCA/FUNHOUSE YEARS』より

アイドル食堂・第60回 暖暮

W浅野がアイドルだった頃

 アイドルだってメシを食う。このところ温故知新を意識し、「アイドルだった過去が半ば葬り去られている女優」シリーズが続くが、今回は真打ち登場で、浅野ゆう子を採り上げる。浅野温子とのW浅野で知られる、トップ・オブ・トレンディ女優である。

 とはいえ小生、バブル期の泡沫には目もくれず、ひたすら地味な出版業界で、ほぼ今と変わらない日々を送っていたので、トレンディドラマといわれても、現代っ子ほどの知識もない。カラオケで誰かが歌う主題歌を聴けば、当時の映像が画面に流れるので、「ああ、さんざん予告編は見たな」と思い返せる程度だ。だから、浅野ゆう子の代表作って……?と、今も慌ててプロフィールを眺めている。

 1988年にフジテレビ系の『君の瞳をタイホする!』のヒロインに抜擢され、一躍ブレイクしたと。陣内孝則柳葉敏郎三上博史主演の刑事物のコメディでしょ? 何編か見た記憶があるが、シングルマザー役でしたっけ?

 さらに同年、フジ系『抱きしめたい!』で浅野温子と初競演。そこで同世代から圧倒的な人気を得たというのは覚えている。しかし、内容はさっぱり……。ウィキペディアを見ても、筋書きにまったく触れてないじゃないか! バブルとはまさしくそんな、ファッションや気分が優先される、空疎な時代だった。

 だがむしろ、アイドルだったゆう子は鮮やかに記憶している。1974年のデビュー時のキャッチフレーズは「ジャンプするカモシカ」。同年には『恋はダン・ダン』で第16回日本レコード大賞新人賞も受賞しているのだ。76年にヒットした『セクシー・バス・ストップ』の作曲はJack Diamondこと故筒見京平。元はディスコチューンのインストに詞をつけた、70年代の傑作のひとつだ。

 当時の女性アイドルは小柄が主流だったが、ゆう子は167cmの長身でスラリとし、ミニスカートやホットパンツから覗く長い足も、眩しいほどに小麦色。神戸出身のせいか、どことなく垢抜けしており、ボーイッシュなショートカットがチャーミングだった。しかし、この「日本人離れしたプロポーション」というヤツが仇となって、その後は今ひとつ伸び悩んだ。

 一方、ルックスが大人びていたせいで、中学生ながら、『太陽にほえろ!』(日本テレビ系)の2代目お茶汲み役にも起用された。七曲署の捜査第一係には歴代のお茶汲みがいたのだ。3代目のアッコこと木村理恵はその後、女優として大成する。

 ゆう子の初登場はデビュー年の74年の9月。ちょうど3代目新人刑事テキサス(勝野洋)が登場してまもなくの頃。ところが、「14歳の女の子が働いている、それも警察に出勤とはおかしい」といった内容の投書があり、わずか3ヶ月で降板したとか。つくづくついていない。

 もっとも、持ち前のプロポーションが低迷期には武器となった。男性誌からのグラビアの引き合いは多く、カネボウ化粧品などでの水着ポスターは艶かしく、元祖グラドルの一人でもあろう。そうこうするうち、先述のドラマが大当たりし、女優トップの座に駆け上がった。

■こだわりのとんこつラーメンに半餃子を

 最近でこそ舞台が中心で、たまに大作ドラマで貫禄を見せるくらいだが、だからこそ、食のほうも女王級かと思うと、好物が豚骨ラーメンだという。しかも、全国に26店あるチェーンの「暖暮」のラーメンが好みとか。飾らない人柄にあらためて好感を持った。ゆう子は19年4月21日、日本テレビ系『誰だって波瀾爆笑』に登場。変わらずスリムなのに、「炭水化物が大好物」だと語り、まずは庶民的な暖暮に案内した次第。

 暖暮には同じ豚骨ラーメンチェーンの「一蘭」同様、オーダーカードがあって、麺の硬さや味の濃さなど、自分の好みに注文できるのがゆう子のお気に入りポイント。そこでラーメン(780円)を固め、油少なめにし、トッピングはキクラゲ・ネギ増し・味つけ玉子半分というのが彼女のデフォルトで、一口サイズ4個入りの半餃子(250円)も必ずつける。放送直後の暖暮恵比寿店のFacebookを見ても、この「浅野ゆう子セット」が示されていた。

 ゆう子が同店に通うようになったのは、博多で舞台に出演していた際、共演者の野添義弘に紹介され、訪れたのがきっかけ。元から豚骨好きだが、同店の10時間煮込んだスープはコクがありながら臭みがなく、一番の贔屓となったようだ。お決まりの薬味の紅生姜は途中から入れ、味変を楽しむのがゆう子流。薬味には他に辛子高菜もあるが、そちらは入れない派らしい。

 ちなみにゆう子が同番組で次に紹介したのは、30年以上食べ続けるという、麻布十番の高級中華「登龍」の玉子炒飯(1900円)。他にいくらも炒飯メニューがあるというのに、卵が好物なので一本槍という。浮気ができない性分らしい。そう言えば、あまり浮いた噂も聞かなかった。長らく闘病生活を支えた、元恋人の田宮五郎の無念の死が脳裏をよぎった……。

 いや、登龍は大女優の通う店ですよ。餃子だって2100円もするからね。20年以上も前に一時勤めた職場が近くにあり、社主に一度だけランチをご馳走になったが、メニュー表を見てたまげたもの。

 タモリも常連の一人で、黒木瞳も昨年11月7日放送の『人生最高レストラン』(TBS系)で「30年以上通い続けている」と紹介していた。黒木も福岡の八女市出身だから、豚骨ラーメンには一家言ありそうだが、それはまたいずれとしよう。

 暖暮は2000年に福岡は筑紫野市に誕生。都内だとかつては巣鴨などにもあったが、現在は恵比寿と町田にあるのみだ。もっとも、オーストラリアやアメリカ・カナダなど海外に12店も進出している。同じようにアジアを席巻した「九州熊本豚骨 味千ラーメン」と味の方向性が似通う。「浅野ゆう子セット」食べたさに、つい先日立ち寄ると、飽きのこない旨さだとつくづく思えた。

 ぼくは本場の臭みがぷんぷん放たれる九州ラーメン全般が大好きで、やはり世界各地に進出中の「博多一風堂」を実に物足りないと思う側だが、久々に暖暮を食し、この中庸さが魅力なのだろうと感じ入った。スープに深みがあって、いたずらな味変を要求しない、実に完成された一杯なのだ。デビュー当初から溌剌とした人間味で勝負する、浅野ゆう子とどこか共通する。

 しかし、ゆう子のラーメン好きは業界でもつとに知られるらしい。現に昨年3月、旅先のサウナ内のテレビで『ラーメン大好き小泉さん 二代目!』(フジ系)をぼんやり眺めていたら、ゆう子が「ラーメンに詳しい“謎の女性”」役として妖しげに登場。豪快かつ艶やかにラーメンを啜る様が実にハマっていた。その取材でゆう子はこうコメントしている。

「私もラーメンは大好きです。かわいい小泉さんたちの食べっぷりで、“ラーメン食べたぁい!”と皆さまに思っていただけるお手伝いが少しでもできればと、ラーメンの食べ方の研究、すすり方の練習をして撮影に挑みました(笑)」

 やっぱり大女優だわ……。昨年には還暦を迎えたというのに衰えぬ美貌にも、豚骨ラーメンのコラーゲン効果があるのかもしれない。こんな芯の太い女性と、向かい合ってラーメンを啜り合う仲になってみたいものだ。

(取材・文=鈴木隆祐)

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