クジラの歌声をソナー代わりに使用し、地震研究に役立てる試み (2/2ページ)
この地震波は海洋地殻をも伝わり、堆積物やその下の玄武岩層、そのまた下の斑れい岩層によって反射・屈折される。
もちろんクジラの鳴き声から生じた地震波は地震計にも記録される。だから、そのデータを分析すれば、それが伝わってきた地殻の構造を推定したり、マッピングすることが可能になる。
実際に3つの地震計に記録されていた鳴き声からは、そのクジラの位置をピンポイントで特定できたほか、地殻の画像まで作成できたとのことだ。

credit:Kuna et al., Science, 2021
・クジラ・ソナーならではのメリット
従来の地殻イメージ化技術は高価である上に、エアガンを利用しなければならないので、なかなか使用許可が下りないのだという。
一方、クジラの鳴き声を利用したソナーは、解像度が劣るものの、エアガンを使うよりはずっと小さな影響で地殻をイメージ化できる。
また将来的には機械学習を利用することで、自動的に鳴き声を特定して、地殻をイメージ化することもできるだろうとのことだ。
クジラ・ソナーはあくまで補助的なもので、海洋地殻調査の主役になることはないそうだが、一般的な調査手法が使えないような海で大活躍してくれそうだ。
References:The songs of fin whales offer new avenue for seismic studies of the oceanic crust | Oregon State University/ written by hiroching / edited by parumo