体操・伝説の“五輪満点男”森末慎二氏熱弁!「五輪と日本体操の未来」 (2/2ページ)
■「なんとしても今年やりたいというのが、上の人の本音なのかも」
ーー確かに、そうですね。
森末 でも、4年もずらすと、それはそれでお金がかかるんですよね。競技場や選手村含め、いろんな施設を五輪後に取り壊して、次に何かに変える、みたいな計画がありますから、それごと4年送りになる。その間の維持費や損害を、どこが、なんのお金で補填するのかといった、さまざまな問題が出てくる。だから、なんとしても今年やりたいというのが、上の人の本音なのかもしれません。
ーー本当にかわいそうなのは、こんな状況に振り回される選手の皆さんです。
森末 今までも戦争で五輪がなくなったり、ボイコットで出られなくなったりしたことはありましたから、もう、これはしかたのないことなんですけどね。
ーー巡り合わせとしか言いようがないと。
森末 もともと選手として年齢的なピークや、好調のピークが五輪にピタッと合う選手と、合わない選手がいますからね。コントロールして合わせることも、ある程度はできるんですけど、これはなかなか難しいこと。70年代後半から80年代に体操女子の日本のトップとして活躍した加納弥生(故人)さんは、世界選手権は2回出ているのに、五輪の前になると調子を落としてしまう。80年のモスクワ代表になりながら、ボイコットで出場できない不運も重なって、結局、一度も五輪出場を果たせず引退された。そういう例もありますからね。
ーー内村航平選手も32歳になります。
森末 航平の場合は、年齢的に6種目では難しいので、得意の鉄棒に絞って出場を目指している。そうした出場の仕方は、僕らの時代にはなかったことですから、ある意味、幸運です。女子の村上茉愛(24)や寺本明日香(25)は、延期になったおかげでケガからの回復が間に合いそう。だから、本当に、巡り合わせなんです。
このあと、森末氏自身の経験や、日本選手をとりまくライバル国の現状も語ってもらった。この続きは現在発売中の『週刊大衆』4月5日号で。