不透明な物体を通過して反対側に映像を投影できる非破壊ビームが開発される (1/2ページ)
credit:Allard Mosk/Matthias Kuhmayer
白い砂糖をよく見てみれば、透けているようで透けていない。半透明だ。その理由は、中に進入した光が散乱してしまうからだ。
しかしオーストリア、ウィーン工科大学とオランダ、ユトレヒト大学の合同グループは、この法則が当てはまらないビームを開発してしまった。
そのビームは不規則な物体に進入しても、弱まることはあっても散乱してしまうことはない。そのまま反対側へと突き抜け、入ったときと同じパターンで脱出する。
この性質を利用すれば、普通なら光を遮ってしまう物体越しでも、映像を投影することができるという。
・光の散乱効果を分析
揺れ動く水面を広がる波は、その形状を無限に変化させる。波の性質を持つ光もまた同じこと。不規則な物体の中を通過すれば、その波形は無限に変化してしまう。
『Nature Photonics』(4月8日付)に掲載された研究では、そうした光の散乱効果を記述する数的モデルを構築し、これによって物体の中で乱れてしまった光波を分析している。
たとえば「酸化亜鉛」というナノ粒子がランダムに並んだ半透明の物質がある。その粉で幕を作り、その後ろに検出器を設置した上で、特定の光を照射。検出器がとらえた光を数的モデルで分析する。
すると粉によって散乱しているのに、まるでそこに何もないかのように幕を通過してしまう光波があることが判明したのだ。