アイドルで坂道オタ！　前田美里の「坂道が好きだ！」　第６８回

　近年、さらに加熱する坂道シリーズ。その人気は多種多様のファンを生み、ついには同じアイドルながらにアイドルを推すという熱烈な「坂」ファンが現れた。それが坂道オタ界隈でもガチ勢と認められるグラビアアイドル前田美里だ。彼女とともに坂道の魅力に触れていきたい。

■気持ちの切り替えが無理だった

――今回からは「配信ライブ」をテーマに、ここ半年で前田さんが観たライブについて順番に話していきたいと思います。まず昨年１０月１２・１３日に行われた欅坂４６の『ＴＨＥ　ＬＡＳＴ　ＬＩＶＥ』はどうでしたか？

　史上最高のライブ……、衝撃的……、欅坂４６にとっての最初で最後の集大成……、みたいな感じですかね（笑）。

――『ＴＨＥ　ＬＡＳＴ　ＬＩＶＥ』は２日連続で行われたのも特徴的でしたね。

　１日目と２日目でどうセトリを持ってくるのかなって思ってましたね。（セットリストを見ながら）改めてセトリを見るとまるで違うし、１日目に「ザ・欅坂」のイメージがあるものを持ってきて、２日目はハッピーエンドじゃないけど、新しい道に向かうために明るいほうに持っていってるなっていう印象を受けたので、どっちかというと３ｒｄアニラ（欅坂４６　３ｒｄ　ＹＥＡＲ　ＡＮＮＩＶＥＲＳＡＲＹ　ＬＩＶＥ）のときみたいな感じに思えました。３ｒｄアニラも、大阪公演が全部明るい曲、武道館が全部ダークな演出だったので、結構似ているなって思いましたね。

――公式サイトでも「“静”と“動”とも言えるまったく別のセットリスト」と表現してましたからね。代々木第一体育館の広いの床にプロジェクションマッピングを使っていた演出も印象的だったんじゃないかと思います。

　代々木自体は客席埋まってるとそんなに広く感じないじゃないですか？　でも人がいないだけですごい広く感じたし、その全体を使って演出してるのもすごいなーって思いました。１期生ひとりひとりのＶＴＲも、それぞれに馴染みのある曲がすごいエモいような感じで流れてて、さらに後ろに過去の映像が流れてたから、ひとりひとりの成長をあの１分ちょっとのＶで感じることができましたね。

――そのなかで特に印象に残っているメンバーは？

　私は特に『Ｉ’ｍ　ｏｕｔ』前の齋藤冬優花ちゃんで、やっぱりメンバーをまとめてる存在だったし、涙ぐんでたのもあって、欅が好きっていう気持ちが強いんだなっていうのを特に感じましたね。（改名することへの）もどかしさもきっとあるんだろうなとも思ったし、個人的に『Ｉ’ｍ　ｏｕｔ』自体もすごく大好きな曲なので、曲も含めてすごく心に来るものがありましたね。

――あの時点では「欅のままがいい」という気持ちを持っているメンバーもいたでしょうし。１

　それこそ佐藤詩織ちゃんとかは、もう辞めると分かっているからこそのもどかしさというか切なさがあったなって思いますね。最後、櫻坂として出てきたときにはしーちゃんもういなかったから、それもちょっと複雑だなって思いました。

――最後のところでいうと、『サイレントマジョリティー』が終わったあとにみんな泣きながら頭を下げていました。そこで終わりかと思ったら、その直後に『Ｎｏｂｏｄｙ’ｓ　ｆａｕｌｔ』を堂々とした顔で披露していたから、そのときのメンバーの気持ちの切り替え方もすごいなと。

　それもそうですし、やっぱり見てる側が気持ちの切り替えが無理でしたね（笑）。日向坂とはまた違う、色々あっての改名だったので、なかなかすぐには気持ちの切り替えはできなかったですね。

――『Ｎｏｂｏｄｙ’ｓ　ｆａｕｌｔ』を誰がやってるのか確認したりもしないといけないし（笑）。

そうですね（笑）。なんかよく分からないまま頭の中がぐるぐると回ってたって感じです（笑）。
 

■欅坂４６『ＴＨＥ　ＬＡＳＴ　ＬＩＶＥ』１日目セットリスト

１：サイレントマジョリティー
２：大人は信じてくれない
３：エキセントリック
４：語るなら未来を…
５：月曜日の朝、スカートを切られた
６：Ｓｔｕｄｅｎｔ　Ｄａｎｃｅ
７：カレイドスコープ
８：渋谷川
９：Ｉ’ｍ　ｏｕｔ
１０：Ｎｏｂｏｄｙ
１１：東京タワーはどこから見える？
１２：避雷針
１３：不協和音
１４：キミガイナイ
１５：君をもう探さない
１６：もう森へ帰ろうか？
１７：黒い羊

（取材・文＝鎌形剛）