ギスギスした世の中だからこそ染みる!人の優しさが詰まったヒューマン・ドラマ (2/2ページ)
しかし、永松は未代に思いを伝える前に、大きな人生の選択をしなければならなかった。北海道出身の彼は、地元での就職を控えていたのだ。未代に思いを告げるなら、就職は辞退しなければいけない。もし、未代が自分を受け入れてくれたとしても、就職で遠距離恋愛になるならば、会ったことはないが存在は知っている園井という男と同じになってしまう。
わざわざ北海道まで出向き、内定辞退を伝えることで仁義を通した永松。晴れて未代に向き合おうとした彼だったが、その頃「マートル」を訪れていたのは、ほかならぬ園井であった……。
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恋愛あり、笑いあり、涙ありのヒューマン・ドラマだが、一貫しているのは作中にただよう優しく、他者への思いやりに満ちた雰囲気だ。「自分の大切な人に会う」という、以前できていたことがなかなかできなくなり、何かと他者への批判の声が飛び交うぎすぎすした世の中だからこそ、この作品で描かれている「人のぬくもり」は強く印象づけられる。
家族や友達などに、「久しぶりに連絡してみようかな」と思わせてくれる一作だ。
(新刊JP編集部)