炭疽菌からエボラまで。使用されたら危険な生物兵器になりうる10の細菌・ウイルス (1/9ページ)
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生物兵器の歴史は1155年にまでさかのぼる。赤髭王の異名を持つローマ皇帝フリードリヒ1世は、水源を遺体で汚染して敵を苦しめた。だが、より明確な形で生物兵器がこの世に誕生したのは、微生物学の発展によるものだ。
疫病の恐ろしさは我々がまさに身をもって体験しているところだ。ゆえに、それが軍事利用されたときの恐怖は、生々しいまでに感じられる。以下では、使用されたら危険極まりない10の生物兵器を見ていこう。
・10. 炭疽菌
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エジプトで進化したとされる細菌で、聖書の出エジプト記にも炭疽菌(たんそきん)が原因と考えられる人間と家畜の大量死が記載されている。
皮膚の細かい傷口に感染すると潰瘍となり、黒いかさぶたを形成するのが特徴(これが炭に見えることが名称の由来)。また肺に吸入してしまうと、インフルエンザに似た症状が発生し、非常に致死率が高い。
第一次世界大戦時、ドイツ軍が連合国と取引のあった中立国の家畜やそのエサに入れ、感染させたともいわれている。
ちなみに1925年の時点で、ジュネーブ議定書によって毒ガス兵器・細菌兵器の使用は禁止されていたが、その研究や生産は規制の対象外のままだった。