東京浅草で起こった謎の殺人事件と僧侶の祟りにまつわる噂話 (2/3ページ)

心に残る家族葬

K家の主人が素直に金を返せばよかったのだが、この僧侶があの時の僧侶かどうか、判然としない。それゆえ、「そんなものは知らない。預かった覚えもない」と言い張った。僧侶はうらめしそうに店をにらみつけながら立ち去ったものの、店の前にあった井戸にいきなり身投げしてしまった。

■おでん屋のおばあさんが不可解な死を遂げた

その後、やはり夏の夜のことだった。かつて細々とおでん屋を営んでいたものの、花川戸(はなかわど)で隠居の身となっていたおばあさんが、贅沢な寝具にくるまって、蚊帳の中で眠っていた。翌朝、寝具や蚊帳には、破れや乱れはない。しかも、何者かが出入りした形跡がなかったにもかかわらず、血まみれのおばあさんが発見された…。

警察の懸命の捜査にもかかわらず、犯人が何の手がかりも残していなかったことから、事件は迷宮入りになってしまった。それから50年の時が経過し、世間の人々からは忘れ去られてしまってはいたものの、地域の人々の間には、おばあさんはお金を預けた僧侶の祟りで殺されたのではないか…という怪談だけが残っていた。

■僧侶の祟りではないかと噂が広がった

しかも「僧侶の祟り」の噂話はそれにとどまらなかった。毎年K家ではおばあさんの命日に、僧侶の怨念を鎮めるため、そしておばあさんの供養のため、親類縁者や旧知の人々が集う盛大な法要が営まれていた。その法事に美しく着飾った女性が参列すると、その最中には誰も気づかないのだが、女性が自宅に戻ると、帯が12〜15cmほど切り裂かれているか、或いは締めることができなくなってしまうという変事が起こる。このことも、あの時の僧侶の祟りではないか…とささやかれているという。

■最後に・・・

ウィーンの葬儀ミュージアムの広報、ザーラ・ヒーアハッカーは去年の11月に、コロナ禍の今だからこそ、人は死が人生にどのような意味を持つのか、どのように埋葬されたいのかを考えていると思うと述べていた。しかし、そんなことを考える暇もなく、突発的に自殺した僧侶、そして突然何者かによって命を絶たれたK家のおばあさんは、どのような「死に方」、そして「葬儀」を望んでいたのだろうか。

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