人生はやり直せるか?「腐ったみかん」から医者になった人の話 (2/2ページ)

新刊JP

幼い頃から喘息持ちだった風子さんにとって、当時の主治医は信頼できる数少ない大人だったという。どうにか高校を卒業し、派遣社員として働くなかで、少しずつ家の外に自分の居場所を築いていった彼女が子どもの頃に抱いていた医師になる夢を思い出した時、すでに彼女には夫と娘がいた。

医師になるには、まず医学部のある大学に合格し、さらに医師国家試験に合格しないといけない。まして医学部の学費は高い。いくら夢といっても、大抵の人は追うのを諦めてしまうような遠い遠い夢である。ただ風子さんには「根拠のない自信」があったという。

もちろん、根拠のない自信だけでは、夢は夢のまま。ただ、行動力と根気があれば現実は動く。朝はコンビニで働き、日中は勉強、夜は子育て、という毎日が始まった。机に座る習慣がなかったため、勉強というよりも「机に座る練習」からだった。最初の年は不合格。しかし翌年、風子さんは見事医学部合格を果たした。その時すでに28歳。周りから10年遅れのスタートだったが、6年後、34歳の時に念願の医師になった。

思春期は特に、歩むべき道が少し見えたとしても、それに向かって進むことが難しいことがあります。私のように普通の生活すらままならない人もいると思います。それでも自分を信じ、もがき続けてください。そうすれば、自分がどう生きるべき人間なのか、世の中のどこに必要とされているのか、はっきりと見えてくるようになる。(P215より)

現在、小児科医として、かつての自分の主治医とともに働いている風子さんは、本書を通してこんなエールを送っている。

長い人生、失敗することもあるし、思い通りいかないこともある。罪を犯すことだってあるかもしれない。でも、意思と行動力さえあれば、必ず人生をいい方向に向けることができる。体験談だからこその力強い説得力を備えた一冊だ。

(新刊JP編集部)

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