地味だけど効果絶大!?戦国時代、合戦の合間に繰り広げられた嫌がらせの数々

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地味だけど効果絶大!?戦国時代、合戦の合間に繰り広げられた嫌がらせの数々

戦国時代と言えば日本全国で繰り広げられた合戦をイメージしますが、一口に合戦と言っても、最初から最後までずっと戦っていた訳ではなく、その準備や後始末、食事や睡眠といった休憩なども当然必要でした。

また、何も考えずに猪突猛進しては敵の罠に陥ることもあり、戦局を有利に展開するべく相手の出方をうかがうなどすれば、戦線が膠着してしまうことも間々あります。

そんな状況を少しでも早く打破し、かつ敵にダメージを与えるべく、各勢力は様々な嫌がらせ、もとい挑発行為に勤しんだのでした。

一体、どのようなことが行われたのでしょうか。

言葉戦い(ことばだたかい)

文字通り言葉で戦う、要するに悪口ですね。子供の喧嘩じゃあるまいし、と思うかも知れませんが、現代でも図星を当てられるとついカッとなってしまうことがあるように、意外と効果はあったようです。

源平合戦におけるハイライトの一つ、大庭景親(左)と北条時政(右)の言葉戦い(イメージ)

また、戦いの正当性を否定して動揺させたり、白熱した相手がつい機密を漏らしてしまうよう誘導したりなど、単なる罵倒のみならず、巧みな話術も工夫がなされました。

言うだけならタダではありますが、逆に敵に話術に引き込まれてしまわないよう、心理戦が繰り広げられたことでしょう。

刈り働き(かりばたらき)

敵の領内で戦っている際、田んぼや畑に実っている稲や麦などの作物を刈り取ってしまうことで、敵からは刈田狼藉(かりだろうぜき)などと呼ばれます。

「さぁ、どんどん刈っちまえ!」刈り働きに勤しむ雑兵たち(イメージ)

自軍の食糧が増えるし、仮にまだ食べられなくても、敵の兵糧を減らし、経済力を落とせる一石二鳥の戦術と言えるでしょう。

よく「他人のカネで食う焼き肉は美味い!」などと言いますが、戦国時代であれば「敵の領地で刈り取ったコメは美味い!」などと言ったのでしょうか。

焼き働き(やきばたらき)

要するに放火、付け火ですね。焼き払うのは敵陣が理想ですが、それが難しければ田畑でも民家でも、何だったらそこら辺の森林だって構いません。

炎というものは、きちんと管理できていれば見ていて心を落ち着かせてくれますが、ひとたび制御不能な火災となると、実に心をざわつかせてしまうもの。

「ヒャッハー!燃えろ燃えろ!」燃え盛る炎を見ると、人間は本性を現す(イメージ)

不安から興奮状態に陥り、それが敵の混乱を招いてくれればしめたものですが、風向きなどに注意しないと、却って味方を混乱させてしまいかねない諸刃の剣。

ともあれ、戦争映画でとりあえず(あまり戦略的に意味がなさそうでも)あちこち燃えている理由が解るような気がします。

田返し(たがえし)

耕(たがや)すの語源ともなったこの行為、土を掘り返して田畑の作物が育ちやすくするだけでなく、既に育っている作物を埋め込んでしまうことも言います。

作物を刈り取るほどのメリットはなく、また焼き払うほどのお手軽さにも乏しい(むしろ大変な労力を要する)こんなことを何でやるのかと言えば、敵に与える心理ダメージの大きさでしょう。

「お前らの畑、収穫前に全部耕してやったぞ!感謝しろよな!」……まさに外道である(イメージ)

せっかく育てた作物が、一面の涅(くろつち。黒土)にされてしまった時のショックは、単に作物の損害のみならず、「嫌がらせのためだけに、よくもまぁこんなバカバカしいことを……」というげんなり感も加わり、想像するだけでも気の毒になってしまいます。

乱取(らんどり)

何だか柔道の稽古みたいですが、乱捕と書くと、その本質がよく解りますね。要するに「略奪」です。

略奪の手から逃げ惑う人々。「大坂夏の陣図屏風」より

近隣の村落や城下町に乱入して、金目のモノでも家畜でも女子供(女性はお楽しみ用、子供は売り飛ばす用)でも、手当たり次第に奪い取る許可を与える訳ですが、一般的に高価なモノほど厳重に管理されており、リターンには相応のリスクが伴いました。

こういう時に何を奪って来るか(そもそも奪いに行くか)、によって性格や能力が分かるような気がします。

印字打ち(いんじうち)

単に石を投げることで、これまた子供の喧嘩じみていますが、石礫(つぶて)と言っても当たり所によっては骨折や失明、最悪の場合死んでしまうこともあるため、くれぐれも油断は禁物です。

季節のイベントとしても行われていた印字打ち(石合戦)の様子。菱川師宣「菖蒲の節句」

(※)一説には、戦国時代における死傷者の約11%が投石によるものと言う研究もあります。

石をより遠くへ、協力に投げられるよう棒や革紐などを使った道具も使われ、単なる挑発の域を超えて戦闘の場面でも活用されたことが知られています。

終わりに

以上、合戦の膠着状態を打破するために行われた嫌がらせや挑発行為を紹介してきましたが、およそ正々堂々とはかけ離れた振る舞いの数々に、うんざりさせられたことでしょう。

(誰ですか?「私もやってみたい」なんて言っているのは)

「潔く散る」なんて美学で、大切な者たちに飯は食わせられんのだ(イメージ)

しかし勝たねば生きていけない戦国時代、そうお上品にばかりやっている余裕もなかったことでしょう。

ここで紹介した以外にも、創意工夫を凝らした嫌がらせが見つかりますから、興味があったら調べて欲しいと思います。

※参考文献:

鈴木眞哉『戦国時代の大誤解』PHP新書、2007年5月 「歴史ミステリー」倶楽部『図解!戦国時代』三笠書房知的生きかた文庫、2016年7月 盛本昌広『増補版 戦国合戦の舞台裏 兵士たちの出陣から退陣まで』洋泉社、2016年9月

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