人生が息苦しい人に教えたい 江戸古典落語の登場人物が持つ周囲に愛される知恵 (2/2ページ)
それを良い方向に利用する
人と比べて劣っていると感じてしまう
→能力の凸凹は愛すべきもの。「多様性」を形づくる大切な要素だ
自分が我慢すればいいんだと思ってしまう
→忍耐強さがあり、トップの器が備わっているということ
的外れなことばかりして空回りする
→「ズレた人」の存在があるから人類は進歩を続けられる
「忘れスイッチ」を押す
→「忘れること」とは心を守る能力であり、リセットの好機
気になるものばかりだが、この中から1つピックアップして、その内容をご紹介しよう。
■人に嫌われているような気がしてしまう→「他人目線」での自己チェックに長けている自分は嫌われているんじゃないか…。そんな思いから、積極的に人と接することができず、自己嫌悪に陥ってしまってはいないだろうか。
しかし、「自分は嫌われている」と思っているからこその強みがある。それは、周囲に対して謙虚さを持って振る舞えているということだ。「相手に不快な思いをさせているんじゃないか」と自分を律しているわけだから、誰かに迷惑をかけることも少ないはずである。
談慶さんは、「百年目」という落語を取り上げ、その主人公である治兵衛の振る舞いに寄り添いながら、「嫌われている」と思っている人は、自分自身を抑えることに長けた「ブレーキ上手」だとして、そういう自分を誇りに思ってほしいと述べるのだ。

「ひとり上手」「忘れスイッチ」などパワーワードが満載の本書は、今、自分の考え方や置かれている状況にあっぷあっぷしている人にとっての浮き輪代わりになるような一冊だ。
気持ちがふっと楽になる落語10選も掲載されており、落語に興味があるけれどまだ触れたことがない人にとっては入門書にもなる。
落語の世界に浸ると、どんな自分でも大丈夫なような気持ちになる。ぜひ、本書を通して、江戸時代の人情溢れる世界に飛び込んでみてはいかがだろう。
(新刊JP編集部)