北朝鮮、薬物取り締まり強化の裏に「薬より“クスリ”のほうが安い」貧困事情 (2/3ページ)

Asagei Biz

「つまり、従来の法律では取り締まれず、一般人を対象にした法律を施行せざるを得ないところにまで、状況が追い込まれているということでしょう」(前出のジャーナリスト)

 そして、北朝鮮国民をクスリに走らせる最大の原因は「国家に対する絶望」というのが、元韓国特派記者だ。

北朝鮮の劣悪な医療環境はよく知られることですが、『北韓人権白書2020』によれば、北朝鮮にある診療所は、大半が薬剤不足などで機能していない状況なのだとか。したがって、病気になったら施設が整う人民病院に行かなければならないのですが、通常、MRIと腹部超音波の検査でそれぞれ20ドル、X線撮影が3ドル、問診だけで2ドルもかかる。もちろん、薬や入院費用はすべて自己負担になります。対して、粉末薬物1グラムあたりの末端価格が20ドル(約2200円)前後。北朝鮮では通常、約3回分の使用量にあたる0・1グラム単位で取引されるため、薬よりもはるかに安価で手に入る。平壌で暮らす4人家族の1カ月あたりの生活費が約100ドルといわれますから、病気しても病院にすらいけない。そうした人たちが一時の快楽を求めて、薬物に走る人が増えても不思議はない。薬物乱用の背景には、人民の貧困があるということです」

 自暴自棄になる中、1回キメれば一瞬にせよ、すべての苦労も忘れられる……彼らにとって違反薬物は、そんな魔法のクスリなのかもしれないが、彼らに狙いを定めて甘い汁を吸おうとするのが流通する売人だ。

「ミイラ取りがミイラになる、という言葉通り、中毒者が金のために売人となり、その人数もネズミ算的に増えているといわれますからね。

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