「長嶋茂雄VS佐藤輝明」は?レジェンド選手VS現役選手「夢の対決」どっちがスゴイ?
プロ野球の歴史に名を残す数多のレジェンドと、第一線で輝く現役スター選手たち。同時代に両者がもしも相まみえれば、はたして、どちらに軍配は上がるのか。
ファンが居酒屋談義で華を咲かせる「もし戦わば」に、同時代を生きた識者の見識を借りて、本稿で白黒つけてみたい。
まずは今季、大活躍の黄金ルーキー、阪神の佐藤輝明と、同じく大卒1年目から二冠王に輝いたミスター、長嶋茂雄の「大卒大物ルーキー対決」から。
「そりゃあ、長嶋さんでしょう」と即答したのは、『週刊大衆』おなじみの江本孟紀氏だ。
「佐藤にも打者特有の反射神経と天賦の才は感じるし、ここまではよくやっている。ただ、長嶋さんにあった“嗅覚”のようなものは、彼からはあまり感じない。似たタイプの柳田悠岐と比べても、まだ、ぎこちなさが残ります」(前同)
江本氏とミスターの初対決は、南海時代のオープン戦。そのときの衝撃は「今なお鮮明」と、氏は語る。
「“フラッシュをたかれたようだった”と、よく言うんですが、あんな感覚を味わった打者は、後にも先にも長嶋さんだけ。結果こそレフトライナーでしたけど、反応の速さは尋常じゃなかったですからね」
では、当時「最強」と謳うたわれたバッテリーなら“怪物スラッガー”を、どう料理するのか。野村克也&江夏豊との仮想対決を、当の江夏のトレード相手でもあった江本氏がジャッジした。
「南海時代の江夏は、球威こそ全盛期からは落ちていましたが、その分、技術は格段に上がっていた。そこに野村さんの嫌らしさが加わるわけですから、佐藤もかないません。打者としての長嶋さん同様、江夏にも投手ならではの嗅覚があった。失投の少なさ、逃げ方のうまさを考えても、佐藤の苦手な内角をきっちり突ける江夏のほうが、一枚も二枚も上でしょう」
■“世界の盗塁王”福本豊VS“甲斐キャノン”甲斐拓也は?
一方、捕手・野村と名勝負を繰り広げたのが、阪急の福本豊だ。この“世界の盗塁王”と、南海時代の背番号「19」を野村から直々に受け継いだソフトバンクの正捕手、甲斐拓也の“甲斐キャノン”の勝負ではどうか。
「盗塁阻止は捕手一人ではどうにもならないので、一概には言えませんが、四分六で福本。刺した4割の半分が肩で、残りはクイックといった感じでしょう。甲斐が、どんなに強肩でも責任は投捕半々。福本は投手のクセを盗む能力にも長けていましたしね」(前同)
その甲斐に、昨年の日本シリーズで「賞をあげられなくて残念」と最大級の賛辞を贈ったのが、王貞治会長。
“世界のホームラン王”が現役時代、左腕が比較的苦手としたことを考えると、自軍のサイドスロー左腕、嘉弥真新也との対決も一興。嘉弥真は昨年まで4年連続50試合に登板し、防御率3点未満という球団記録を達成した中継ぎのエースだ。
「これはもう確実に通用します。王さんと言えど、1打席勝負ではタイミングも取りづらい。まして、左打者には背中側から中に入ってくる左腕相手なら、なおさらです。“王キラー”で知られた大洋の平岡(一郎)さんやヤクルトの安田(猛)らも、やはり変則投法の左腕でしたしね」(江本氏)
ちなみに、先発投手ながら、王会長を通算被打率1割2分4厘と完璧に抑え込んでいたのが、他ならぬ江本氏だ。その秘訣は……?
「初対決で満塁弾を放り込まれてね(笑)。それを教訓に、いわゆるパワーピッチをやめたんです。星野(仙一)さんや平松(政次)は、あくまで真っ向勝負でしたが、私は“逃げるときは逃げる”。配球に迷ったときは、ド真ん中でストライクを取ることもありました」
8月2日発売の『週刊大衆』8月16・23日号では、このほかにも「夢の対決」のゆくえを徹底分析している。