本当に公平か?「実力主義」の残酷さ (2/2ページ)
報われないのは努力が足りないから」とひとくくりに切り捨てることに問題はないのかという点は、意見が分かれるところではないだろうか。
もちろん、どんな親のもとに生まれるかでその後の人生が決まるわけではない。ほとんどの人は自分に与えられた才能を受け入れて、自分に思いつく限りの努力をすることで運命を切り開いていくことができる。それでも、機会平等によって全員が同じスタートラインに立てるようになるわけではなく、圧倒的に不利な条件下で実力競争に巻き込まれ、そして振り落とされる敗者が生まれる。そしてその勝敗はその人の経済力に直結する。
『無理ゲー社会』で描かれているのは、今の社会が見なかったことにしている不都合な真実だ。才能がある人と、才能の不足を努力で埋められる人は自分らしく生きることができる。しかしそれ以外の人はどう生きればいいのか? 現代社会の生きにくさの一端が明らかにされた一冊だ。
(新刊JP編集部)