究極の母性愛。自分の内臓を子どもたちに食べさせる蜘蛛「ムレイワガネグモ」(虫注意)

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究極の母性愛。自分の内臓を子どもたちに食べさせる蜘蛛「ムレイワガネグモ」(虫注意)
究極の母性愛。自分の内臓を子どもたちに食べさせる蜘蛛「ムレイワガネグモ」(虫注意)

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 母親はその母性でもって子供を包んでくれる強く、優しく、美しい存在だ。自らの命に代えてでも子供たちを守り抜く。そう、自らの内臓を与えてまで・・・

 そんな究極の母性愛をもつのは、Stegodyphus lineatusというムレイワガネグモの一種である。我が子のために自分の腸を口から吐き戻し、子どもたちに食べさせてあげるのだ。

 イスラエルのネゲヴ砂漠では春になると、この母蜘蛛が低木の中に筒状の蜘蛛の巣を作る。巣の入り口からは、蜘蛛の糸で織られたシートが広がっており、獲物となる昆虫はこれに捕らわれてしまう。栄養を蓄えた母親はやがて80個ほどの卵を巣の中に産み付け、これを食べようとするオス蜘蛛を監視する。

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 だが、ある時点で母蜘蛛は卵嚢を開くと、何も食べなくなる。これはお腹が空いていないからではない。実は母親の腸が溶け始めているのだ。

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 卵が孵化するころには、母蜘蛛は体内に透明な液体がたっぷり蓄えられ、これを口からしたたらせる。生まれてきた子蜘蛛は2週間ほどこの液体をなめて育つ。子供の口は獲物を捕らえられるほど発達していないため、彼らの食事は文字通り母蜘蛛に依存している。

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 腸の融解はさらに進み、心臓以外の他の器官も溶け始め、やがて腹の中はどろどろになった内臓だけで満たされるようになる。しかし、孵化してから5日以内に子蜘蛛がオスの手にかかって命を落とすと、こうした過程は止まる。母親の卵巣がまだ無事であれば、このオスと交尾して、繁殖をやり直す。

 残った体液をお腹いっぱいにすする子蜘蛛の姿は、母親の体液で風船のように膨らんだ腹にとても小さな頭がついているといった感じだ。

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 対照的に、母蜘蛛の姿は無残なものだ。体重の54パーセントをさらに失い、生前と比べたときの体重減は95パーセントになる。子蜘蛛に食い尽くされた後に残るのは、空っぽになった外骨格だけだ。

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母蜘蛛の亡骸。空気の抜けた風船のような腹部が残される。

 グロテスクにも思えるが、厳しい砂漠においては見事な適応の結果なのである。繁殖期の春は餌となる昆虫が増える時期であるとはいえ、雨や気温の変化などの要因で、その数は安定していない。こうした餌に乏しい環境に子蜘蛛を放つよりは、母蜘蛛はできる限り自らの身体を与え、子供たちの成長を助けることを選んだのだ。栄養を体内の組織に蓄えた母蜘蛛は、まるで砂漠の冷蔵庫のようである。

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 母を失った子蜘蛛たちは、数週から1ヶ月の間、母蜘蛛が作った蜘蛛の巣に獲物がかかるのを待ち続ける。だが、身体が小さく弱い兄弟は、別の手段を見つけねばならない。弱いものから先にその場を後にし、別の枝や潅木に居を構え、自らの巣を作るのだ。しかし、メスの場合はそれも次の春までの間だ。彼女たちも、自分の母蜘蛛がしたのと同じように、子蜘蛛たちに身を捧げる運命にある。

 短い生涯に思えるが、あらゆる生命の行動原理は子孫を残すことである。ときに、いかなる代償をも厭わない。全てを捧げた母蜘蛛が命を落とすとも、餌に乏しい環境では子蜘蛛に大きな恩恵を与えることになる。そして、母蜘蛛の遺伝子は受け継がれていくのだ。

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 面白いことに、近類のStegodyphus dumicolaは、一匹狼のクモ綱には珍しく社会集団を形成する。この群れのメスで生殖可能となれるだけの栄養を与えられるのは半分だけだ。ユニークなのは残りの半分である。母蜘蛛となった個体が自らを溶かして子蜘蛛に与えるとき、この未成熟な姉妹たちも身体を溶かして、いわば姪や甥たちに命を捧げる。

 こうした行為は血縁選択と呼ばれている。生物の進化には、自らの子孫だけでなく、遺伝子を共有する血縁者の繁殖成功も影響を与えているようなのだ。自分が子孫を産むより残せる遺伝子が少なくなるが、それでも何も残さないよりはましだ。同じ行動原理は、ハチやアリでも見ることができる。進化は、次の世代を残すため、種を利己的に駆り立てるかに思えるが、その実協力が優れた進化上の戦略となりうるのだ。

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Spiderlings Eat Mother

via:metafilter・原文翻訳:hiroching


 アンパンマンめいたモノが、「お腹がすいたらぼくの顔を食べて」と自らの体を差し出すが、あれは付け替え可能である。この母蜘蛛は文字通り自らの子どもに命を差し出すのである。究極の母性愛だな。もし私に子供ができて餓えに苦しんだ子供とかペットに、内臓を吐き出してそれを分け与えてやることはできるのだろうか?左腕一本くらいなら食わせてやれるのかしら?指一本くらいじゃたいして腹も満たされないだろう。うーん、そういうときの為にやはり脂肪は蓄えておくべきだろうか?変な方向に妄想が突入してしまったのでじゃあもうこの辺で勘弁してやるか。


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