藤井聡太「竜王戦」で駆け上がる「八冠ロード」(3)同年代ライバル不在の影響は… (2/2ページ)
藤井さんはまだ伸びるでしょうし、ここ最近の充実ぶりを見れば、数年以内に八冠を達成したとしても驚きません。私は少なくとも、今後10年は『藤井一強』の時代が続くとみています。ただこれはある意味、不運なことかもしれません。例えば羽生さんには、森内俊之九段(50)や佐藤康光九段(52)といった、いわゆる『羽生世代』と呼ばれる、同年代でタイトルを争うライバルの存在がありました。ですが藤井さんは突出しているがゆえ、今後は全ての棋士からマークされる存在になるでしょう。そんな中で、タイトル戦が続くハードスケジュールをいかにこなせるかが課題になると思います」
藤井が歩み始めた「八冠ロード」。それは17年に叡王戦がタイトル戦に昇格して以降、誰もなしえなかった茨の道だ。前出の松本氏が語る。
「藤井さんは8割を超える勝率で勝ちまくっていますが、逆に言うと10割ではない。現に、9月の棋王戦ではトーナメントの3回戦で敗れて挑戦者になれませんでした。一発勝負に勝たなければいけない局面があることも考えると、タイトルを保持しつつ獲得を重ねることは本当に難しい。ですが、羽生さんはそれをやってのけた。藤井さんにもそれが求められます」
ここまで藤井の成長ぶりを見せつけられては、夢物語も現実味を帯びてくる。藤井が最後の砦・名人戦に挑むのは最短で23年。全タイトル制覇に待ったをかけるのは果たして‥‥。
*「週刊アサヒ芸能」10月21日号より
【写真ギャラリー】大きなサイズで見る