過ちを犯した人を許すのは誰か。一人の男の「転落」と「再生」を描く物語 (2/2ページ)
ここまでのあらすじを見れば、「孤独な少年」「社会に適合できず詐欺を働いた犯罪者」といった曜の顔が見えてくる。しかし、曜のその後の人生を動かしていくのは、壮絶な人生の中で出会った人々との中で形成された新たな一面である。
本作は、著者の松谷美善氏が「人がやり直せる機会が増えれば犯罪も減り、今より円滑な人間関係が生まれるのではないでしょうか」とあとがきでつづっているように、人はなぜ過ちを犯すのか、そしてそれを許すのは誰かということが一つの大きなテーマとなっている。
この物語を読み終えたとき、「曜」に対してどんな印象を持つだろうか。そこで生まれてくる感情が、この物語が読者に提示する最大の問いかけなのだろう。
(新刊JP編集部)