ED治療薬は脳にも効く?バイアグラがアルツハイマー病型認知症の発症リスクを70%減らすことが判明
[画像を見る]
男性の勃起不全(ED)治療薬として知られるあの「バイアグラ」に、どうもアルツハイマー型認知症を劇的なまでに予防する効果があるらしい。
アメリカの研究グループが、健康保険申請者720万人分の膨大なデータを分析したところ、バイアグラを服用している人は、アルツハイマー病の発症リスクが約70%も低いことが明らかになったのだ。
バイアグラがアルツハイマー病に効くという直接的な因果関係が証明されたわけではない。しかし、その治療薬候補として有望であることは十分示されたとのことだ。
・バイアグラ服用者はアルツハイマーになるリスクが大幅に低減
アルツハイマー型認知症は、認知症の中で最も多く、脳神経が変性して脳の一部が萎縮していく過程でおきる認知症の一種である。
今回の研究結果で注目すべきは、アルツハイマー病のリスクを抱えている人にも、そうでない人にも、バイアグラは効果があるらしいことだ。
「冠動脈疾患」「高血圧」「2型糖尿病」は、アルツハイマー病の発症リスクを高めることで知られている。
米クリーブランド・クリニックのチャン・フェイシオン氏によると、こうした病気の有無に関わらず、バイアグラはアルツハイマー病の発症を抑えてくれることがわかったという。
バイアグラを服用している人は、そうでない人に比べて、その後6年間でアルツハイマー病になるリスクが69%低かったのだ。
[画像を見る]
photo by iStock
・承認済みの薬の中では最も有望な予防効果
バイアグラ(シルデナフィル)が、ED以外の症状にも効くことがわかったのは今回が初めてではない。過去には、がんやマラリアの治療薬として有望らしいことが明らかにされてきた。
今回、チャン氏らは手始めに、アルツハイマー病の発症を抑えると考えられる遺伝的要素を数理的にマッピング。
これに基づいて、すでにアメリカで承認されている薬の中に、アルツハイマー病を予防すると期待できそうなものがないか調べてみた。
その結果、およそ1600種の承認済み薬のうち、バイアグラはもっとも有望な候補であることが判明したという。
[画像を見る]
Photo by Robina Weermeijer on Unsplash
・バイアグラは脳内のタンパク質に効く
男性の下半身に効くはずのバイアグラが、脳の病気にまで効いてくれるのは、「アミロイド」と「タウタンパク質」に作用するからだと考えられている。
この2つのタンパク質は、アルツハイマー病の発症に関係があるとされる。最近の研究では、単体よりも、両者が相互作用することでよりいっそう発症リスクが高まることもわかってきたと、チャン氏は説明する。
別の実験では、バイアグラが神経細胞の成長を促進し、タウたんぱく質の蓄積を減らすことも確認されているという。
[画像を見る]
photo by Pixabay
・ただし因果関係が不明なため、更なる研究が必要
ただし今回の研究によって、バイアグラがアルツハイマー病を予防するという、直接的な因果関係までが証明されたわけではない。
可能性としては、バイアグラを服用している人たち共通する、何か別の発症リスクを抑える要因があるとも考えられるのだ。
はたして真実はどうなのか? それを確かめるため、チャン氏らは現在、第II相試験を計画しているとのことだ。
この研究は『Nature Aging』(21年12月6日付)に掲載された。
References:viagra-is-linked-to-almost-70-lower-risk-of-alzheimer-s" target="_blank" title="" rel="noopener"Giant Study Finds Viagra Is Linked to Almost 70% Lower Risk of Alzheimer's / / written by hiroching / edited by arumo
『画像・動画、SNSが見れない場合はオリジナルサイト(カラパイア)をご覧ください。』