デキる社員は辞め「ぶら下がり社員」が増える 「病んだ組織」ができるまで (2/2ページ)

新刊JP

特に今は様々な企業が従業員満足度向上のための個性的な取り組み(=従業員にプラス感情をもたらす施策)をして、それがメディアなどで取り上げられる時代。経営サイドからしたら「うちも何かやりたい」となりやすい。ただ、それは社員が抱えるマイナス感情にフタをすることでもある。

■リモートワークもノー残業デーも従業員の不平不満を解消しない

企業が社員・従業員のマイナス感情に直接向き合わず、プラス感情をもたらす施策を行うことにメリットがないわけではない。しかし、こうした施策は「当たり前化する」と上村氏は言う。

昇給の例でいえば、給料があがったこと自体はうれしくて、やる気も出る。しかし、その喜びはもって数カ月。上がった額の給料が当たり前になってくると、結局やる気は落ちる。これは他のことにもいえる。リモートワークにノー残業デー、フレックスタイム。どれも、慣れてしまえば当たり前になって、そうなれば一時的に影を潜めていた会社への不満や同僚への悪感情、評価されないことへの恨みつらみがまた顔を出す。こうしたマイナス感情が、個人から組織全体へ広がるスピードは速い。

会社が病むメカニズムは、マネジメント層が従業員のマイナス感情に気づいていないか、気づいていながら正面から向き合わず、「ガス抜き」的な施策でお茶を濁すことから始まるのだ。

人が定着しなくなり、人間関係が悪くなれば業績にも悪影響が出るのは必至。となると、まず目を向けるべきは「マイナス感情」である。

社員・従業員はどんな時に会社にマイナス感情を持つのか。そして、その感情を把握したマネジメント層はどんな対処をとればいいのか。組織を健全な状態に保つために、本書から学べるところは多いはずだ。

(新刊JP編集部)

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