リアルタイムでは見えていない。人が今見ているものは、過去15秒までの視覚情報をまとめたもの (2/4ページ)

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 これを証明するために、『Science Advances』(2022年1月12日付)に掲載された研究では、次の映像を使ったとある実験を行なっている。

 以下の動画を見てほしい。

[動画を見る]

An Illusion of Stability

 映像の画面左側には、女性の顔が映っている。実はこの映像が進むにつれて、女性は少しずつ歳をとる。およそ30秒の間に11才老けていくのだ。

 だが、これを見ても、その変化はほとんどわからない。年齢による顔の変化が、実際の映像よりもずっとゆっくり進んでいると錯覚されるからだ。

 この実験では、映像を見終わった参加者に女性の年齢を質問してみたところ、ほぼ一貫してその時点から15秒までに見た顔の印象に基づいた回答が返ってきたという。

 映像を見ているとき、脳は10~15秒前までの映像を処理したものを私たちに見せている。そのため、私たちの認識は常に過去に偏っているのである。

[画像を見る]

photo by Pixabay

・脳はリアルタイムで処理せず先延ばしする
 研究グループによると、脳のこうした働きは基本的に「先延ばし」なのだという。

 目から入ってきた情報をリアルタイムで処理するのは面倒だ。加えて、視覚情報を逐一処理しなくても、ある一時点から未来を予測すれば十分うまくいく。

 だから脳は常に約15秒前までの視覚情報をまとめる形で情報を更新しながら、私たちに目で見た世界を認識させている。
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