AIは既に意識を獲得している可能性をOpenAIの研究者が指摘
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目覚ましい発達を遂げているAI(人工知能)だが、AI研究の第一人者である研究者によれば、AIはすでに意識を獲得した可能性があるという。
「OpenAI」の主席研究者イリヤ・スツケヴェル(Ilya Sutskever)氏は、今月、「今日の大規模ニューラルネットワークには、わずかな意識があるかもしれない」と衝撃的なツイートをして、ネットを震撼させた。
飛躍的に進歩したAIとは言え、自ら意識を獲得することは可能なのだろうか?
・人間に匹敵、あるいはそれ以上の知能を持つ人工知能
AI研究者のスツケヴェル氏は、2015年にイーロン・マスク氏らと非営利団体「OpenAI」を共同で設立した人物として知られている。
スツケヴェル氏は以前から、人間に匹敵するか、それさえも凌駕する知能を持つ「汎用人工知能(AGI)」に強い関心を示してきた。
たとえば、2019年のドキュメンタリー映画『iHuman』に出演し、汎用人工知能は「今日のあらゆる問題を解決する」といった発言している。
だが、AIに意識があるとまで口にしたのは、今回が初めてであるようだ。
・すでに物議を醸しているAIの性能it may be that today's large neural networks are slightly conscious
— Ilya Sutskever (@ilyasut) February 9, 2022
スツケヴェル氏はAIに注意すべき負の側面があることも承知している。先程の『iHuman』では、AIが「決して揺らぐことのない独裁国家を作り出すかもしれない」といった警鐘を鳴らしている。
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IDFA 2019 |トレーラー| iHuman
事実、OpenAIと言えば、同団体で開発された文章生成AI「GPT-3」が物議を醸したことで記憶に新しい。
あまりにも高性能で、偽物と見分けがつかないようなフェイクニュースを簡単に作れてしまうため、社会的な影響が大きすぎると危険視されたのだ。
設立者の1人であるイーロン・マスク氏は、この騒動の最中にOpenAIを去っている。
その理由について、マスク氏は自身のTwitterで「OpenAIチームがやりたいことに同意できなかった」と述べ、当時すでに1年以上OpenAIと距離を置いていたことを明かしている。
とは言っても、マスク氏はAIへの関心を失くしたわけではなく、テスラ社で汎用人工知能を搭載した人型ロボット「Optimus」を開発しているらしきことをツイートで仄めかしている。
イーロン・マスクが開発するヒューマノイドAIロボット「Optimus」
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・物議を醸す「AIの意識」問題
過去10年でAIが飛躍的に発展したことは周知の事実だが、それでも人間の知能にはまだ及ばないし、あまつさえ意識があるなどと考える者は少数派だ。
AIに意識が宿ったというスツケヴェル氏の発言に対しては、各方面の専門家から批判の声が聞かれている。
たとえば、あるオーストラリアのAI研究者は、憶測などではなく、もっと現実的な話をするべきだと批判する。
「こうした憶測的なコメントが出されるたびに、AIによるもっと現実的な機会や脅威について話を戻すのに何ヶ月もかかる」(ニューサウスウェールズ大学 トビー・ウォルシュ博士)
OpenAIが現在では完全な非営利団体ではなく、今や「利益上限付き」の営利部門を持つことと関係があるのではと勘繰る意見もある。Every time such speculative comments get an airing, it takes months of effort to get the conversation back to the more realistic opportunities and threats posed by AI .... https://t.co/F9fsM6st2S
— Toby Walsh. Hiring PhDs. ??? (@TobyWalsh) February 11, 2022
「この発言には現実的な根拠などまるでなく、単純な統計をやっているだけの新興企業が魔法の技術を喧伝するための売り文句にすぎないとも考えられる」(社会科学技術者 ユルゲン・ゲイター氏)
あるいはティーポットが太陽を周っているという意見の方がマシだと、皮肉を言う研究者もいる。It may also be that this take has no basis in reality and is just a sales pitch to claim magical tech capabilities for a startup that runs very simple statistics, just a lot of them. https://t.co/Cbzslh6DLd
— tante (@tante) February 11, 2022
「地球と火星の間のどこかに太陽を公転するティーポットがあるかもしれない。これはイリヤ氏の発言よりはマシだ。軌道させるティーポットは存在するし、その定義もはっきりしている」(コペンハーゲンIT大学 レオン・デルシンスキ准教授)
このように研究者たちの間で炎上騒ぎになってしまっているようだが、スツケヴェル氏はどこ吹く風だ。つい先日などは、反論とも受け止められそうな謎めいたツイートを残している。It may be that there's a teapot orbiting the sun somewhere between earth and mars. This seems more reasonable than Ilya's musing, in fact, because the apparatus for orbit exists, and we have good definitions of teapots. https://t.co/wL6QIhpSg4
— Leon Derczynski ❄️?? (@LeonDerczynski) February 10, 2022
「エゴは(ほとんどの場合)敵だ」
References:OpenAI Chief Scientist Says Advanced AI May Already Be Conscious / Researchers Furious Over Claim That AI Is Already Conscious / written by hiroching / edited by parumoEgo is (mostly) the enemy
— Ilya Sutskever (@ilyasut) February 11, 2022
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