「帰宅中、突然の豪雨に襲われずぶ濡れに。お茶屋さんの軒先で雨宿りしていると、店の老夫婦が...」(愛知県・50代女性) (2/3ページ)

豪雨はおさまらず、それどころか雨水は店内にまで......あっという間に足首の上ぐらいまで浸水。奥から若いご夫婦も出てきて、老夫婦と一緒にバケツや洗面器で水をかき出し始めました。
そんな状況の中で、私はただあたふたするだけ。「お手伝いしましょうか?」と言えたかどうかも今では思い出せません。
確かに覚えているのは、「足が濡れるから奥の段差のある場所へどうぞ」と言っていただいたことです。
その後、再び訪れると...そうこうしているうちに、雨が止み、水が少しずつ引いていきました。
「ご近所だったら今のうちに帰ったほうがいいわね」
そう言われた私は、お礼もそこそこで外に出ました。
帰る途中に見上げた青空の色を忘れないようにしなければ、と思ったのを覚えています。心細い思いでいた私に優しくしていただいた御恩は決して忘れないようにしよう、と。

そして年月が過ぎ、私は少し離れた土地に嫁ぎました。
お茶なんてどこで購入しても同じと思っていたので、最初は気にしていませんでしたが、50歳を過ぎた頃から実家から近いそのお茶屋さんへ買い物に行くようになりました。
今ではその時の老夫婦の姿はすでに見えず、息子さんも他界されていて、当時の若奥様だった方が、店頭におひとり。
通い始めた頃に、大昔の豪雨のときの話をすると、おぼろげに覚えていらっしゃったようで、
「その後にご両親がお礼にみえましたよ」
と教えてくださいました。