「参議院の歴史​」参議院はかつて違う名前になりそうだった?戦前と戦後の議会の違い

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「参議院の歴史​」参議院はかつて違う名前になりそうだった?戦前と戦後の議会の違い

Japaaan読者の皆さんこんにちは。ライターの小山桜子です。今回は参議院の歴史と役割について前編後編でお送りします。

戦前と戦後の議会の違い

簡単に言うと、戦前の帝国議会は、あくまで立法権を持つ天皇の補佐役でした。衆議院と貴族院の二院で、参議院というものはありませんでした。

議員構成も、民選(公選)議員のみからなる衆議院に対して、貴族院は皇族、華族、多額納税者等つまりお金持ちやインテリによってのみ構成されていました。

反対に現代の日本国憲法は、立法機関として衆議院と参議院の二院からなる国会を置き、参議院は衆議院と同様「全国民を代表する選挙された議員」のみによって構成されるものとなっています。

「特議院」になりそうだった!?

戦後、貴族院の代わりに新しい議会を置くにあたって、日本国憲法の制定過程で2つの案が示されましたが、どちらの案でも貴族院に代わる第二院を「特議院」と仮称していました。

つまり戦後の最初の時点では参議院は「特議院」という名前になりそうだったのです。

しかも、1つ目の案では特議院の議員は「衆議院ト異リタル選挙其ノ他ノ方法ニヨリ選任ス」 とされ、2つ目の案では特議院は「皇族及特別ノ手続ヲ経テ選任セラレタル議員ヲ以テ組織ス」と書かれています。

つまり、全国民からではなく、皇族などの特定の条件を満たす国民の中から衆議院とは異なる特別な選挙法によって選任されるという案でした。この時点では結局貴族院的なものが継続しそうな雰囲気ですね。

どうして今の参議院になったか

ではなぜ今の参議院になったかというと、GHQの影響です。「立法部は一院でも二院でもよいが、 全議員が公選により選ばれなければならない」というGHQの提案によって、大きく軌道が変わったのです。

その後の憲法問題調査委員会ではGHQの意見を踏まえて「二院制を維持すべきであるが、構成を民主的なものに改めるべき」との意見が多くを占め、その名称についても「参議院が無難だろう」 との意見にまとまったそうです。

ちなみに貴族院の改称にあたって出た議会名称案の一覧は以下の通りです。

ハ上院・下院、 第一院・第二院、 左院・右院、南院・北院、 元老院・衆議院、参議院・衆議院、公選院・特選院、 特議院・衆議院、 公議院・衆議院、耆宿院・衆議院、審議院・衆議院。

米国を参考にしたものはもちろん、古代のローマ共和制を思わせるような名まで、さまざまですね。

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