「暗闇の中、全身びしょ濡れで川を見つめる女子高生の私。派手なネオン付きの車が、背後にバックで戻ってきて...」(広島県・30代女性) (2/3ページ)
「家は近い?」
その後、私の顔を覗き込んで年下とわかったのか、彼らは「大丈夫? 落ちたん?」「ケガは?」と、口々に心配した様子で声をかけてくれました。
私が「あ...落ちた...」と言うと
「家は近い?」「親に連絡した?」
と聞いてくださるのです。
そこで「近くもなく...遠くもないです...携帯、濡れて使えないんです...」と伝えると、一人が「俺の携帯使い!!」と、差し出してくれました。

ただ、なにしろ私はびしょ濡れだったので、男性の携帯電話を汚してしまってはいけないと、丁重に申し出をお断りしたんです。
「わかったわかった! 待ってな!」それでも彼らは私のことを気遣ってくれて、「何かしてほしい事ある?」と。そこで私が「自転車が...」と答えると
「あ!! わかったわかった! 待ってな!」
と言って危険な水路の中に入り、藻が絡んで汚れてしまった私の自転車をすぐに引き上げてくださったんです。そのうえ「帰れる?」「一人で大丈夫?」と、最後まで私のことを心配してくださいました。

私は「あ、大丈夫です...すみません...ありがとうございます...」と呆然としたまま簡単に挨拶して、そのまま自転車に乗って帰りました。
あの時はきちんとしたお礼も言えず、連絡先を聞く余裕もなく、その場限りになってしまいました。あのお兄さん方がいてくださった間に他に人も車も通らなかった事を考えると、お兄さん方が戻ってきてくださらなかったら、私はあのまま途方に暮れてしまっていたと思います。