部下の話を聞かない上司はNG!今必要とされる「傾聴力」とは (2/4ページ)
――パワハラやモラハラはいけないということとは別に、旧来の上から頭ごなしに命令するようなコミュニケーションを変える必要がある理由はどんなところにあるのでしょうか。
林:ネット検索が簡単にできる環境になって、上司が持っている情報量を武器に威厳を保つことができなくなったというのは一つ言えると思います。
社会通念的にも、「結婚して子どもを作って家を買って定年まで勤める」というモデルがなくなってしまったので、そういう人参をぶら下げても部下は食いつかないですよね。そこで自ずとコミュニケーションを変える必要が出てきているのだと思います。
――林さんご自身も部下とのコミュニケーションで苦労されたそうですが、どのように変えていかれたのでしょうか?
林:たくさん失敗はしましたが、コーチングを学んだのが大きかったと思います。その過程で「言葉として表現されたことは、伝えたいことの1割か2割でしかない」ということを知ってから「言葉にされなかったこと」に好奇心を持てるようになったのが分岐点だったように思います。
――どんなところに注目するようになったのでしょうか?
林:たとえば、部下に「この仕事やっておいてくれない?」と頼んだとして、相手から「いいですよ」と返ってきたら、昔の私は「いいんだ、じゃあお願い」としか思わなかったのですが、声のトーンや「いいですよ」の間合いが変だったら「もしかしたら、あまりやりたくないのかな」とか想像するようにはなりました。もしかしたら違うことを考えているのかもしれない、と。
――「部下の話を聞く」のが上司の力量任せになってしまっている、というご意見はごもっともだと思いました。「聞くこと」は教えなくてもできる人はできる一方で、教えても人の話を聞くことができない人もいます。「傾聴力」は訓練によって身につけることができるものなのでしょうか。
林:情報を聞きとるということ自体はみんなやっていると思うのですが、相手との関係を育むための聴き方ができているか、というところですよね。