光熱費、物価高で国民に約4万円のボーナス ドイツ、賃金アップも不満の声が出る理由とは (2/3ページ)
例えばミュンヘンで同様のチケットを購入した場合、通常であれば59.1ユーロ(約8242円)かかるため、かなりの節約になる。
それだけでは終わらず、政府はエネルギー高騰の対策として、雇用されているすべての市民に一人当たり300ユーロ(約4万1840円)の救済金を支払うことを決定した。支払いは9月中に行われる。救済金受け取りの対象者は従業員のほか、有休のインターンやミニジョブという時間制限の中で働いているアルバイトのような扱いの従業員にも支払われることになっている。働いていない年金受給者は受け取れない。さらに7月には物価上昇の救済策として子ども一人当たり100ユーロ(約1万3947円)を支払い済みだ。子どもと扱われる年齢は18歳までで、支払いにあたり特別な申請はいらない。
また企業として対策しているケースもある。ドイツで最大の鉄道会社ドイツ鉄道は、エネルギー節約支援金として従業員全員に100ユーロ(1万3947円)のボーナスを12月に支給することを確約。これは、ドイツ鉄道が従業員にオフィスビルの照明をこまめに消すことや暖房やエアコンの使用を控えること、エレベーターではなくエスカレーターを利用することなどを訴え、それを行う従業員に負担があるとして従業員一人当たり100ユーロを支払うというものである。モチベーションを上げるための施策ともいえ、もし12月までに予想以上の成果が見られた場合、ボーナスは150ユーロ(約2万920円)に値上げされる。
とはいえ、政府が対策を取っても市民からは安心の声が聞こえるわけではなく、むしろ「賃金が上がっても救済金をもらっても足りない。全然満足していない」「救済金はいらないから物価とガス代を下げてほしい」「働いている人しか300ユーロの救済金がもらえないなんて不公平だ」「年金をもらっているからといって救済金がもらえないのはおかしい」「ここまで物価が上がっては余裕がなく何もできない」という声もある。
ドイツではさまざまな救済策が取られているものの、まだまだ物足りないと思っている国民も多いようだ。世界的に物価高騰の影響を受けている今、各国で国民を安心させるための対策が望まれている。