前回に続いて、芸人のキャプテン渡辺さんとの対談です。キャプテンさんといえば、競馬をはじめ、パチンコにパチスロ、麻雀と、ほとんどのギャンブルを嗜まれていて、テレビ東京のユーチューブチャンネル『テレビ東京　競馬チャンネル』では、１００万円以上当てちゃうなど、凄腕のギャンブラーとしても有名です。前回は、そんなキャプテンさんに「当てたい人は、勝てない」という奥深いギャンブルのお話をしていただきました。

ゆま「競馬は１点買いが基本ということは、分かりました。そうなると、どの馬に賭ければいいんでしょう。私はよく、馬の名前を見て、決めているんです。なんか、エロそうな言葉が入っている馬に賭けちゃう」

渡辺「アハハ。それはそれで楽しんでいらっしゃるなら、全然いいと思います。ただ、僕が尊敬する野村克也監督の格言に“野球は楽しんだら負ける”というものがあるんです」

ゆま「おおっ！　前回は、阿佐田哲也さんの格言を教えてもらいましたが、今回はノムさんなんですね」

渡辺「ええ。ギャンブルも同じで、楽しもうと思ったら負けます。まず、大切なのはオッズを見ること。当然といえば当然ですよね。麻美さんは、買い物は好きですか？」

ゆま「はい。大好きです」

渡辺「では、物を買うときは必ず値段を見ますよね」

ゆま「値段を見ないで買うなんて、危険すぎますよ」

渡辺「競馬も同じです。前回も話した通り、僕の競馬的中率は１５％。８５％はハズれるので、１５％の当たりが来たとき、プラスになるオッズに賭けておかないといけないんです」

ゆま「なるほど～。楽しんでる場合じゃないですね」

渡辺「まあ、そうは言っても、僕が、このフォームを確立できたのは、３年ほど前からです。２０歳のときに競馬を始めてから、２０数年かけて、やっと分かったことなんですけどね」

ゆま「２０数年も続けられるところもすごい。あの、こう言っては失礼かもですが、ギャンブル依存症になりませんか？」

渡辺「おっしゃる通りです（笑）。以前、ギャンブル依存症かどうかを調べるテストをしたら、全項目が自分に当てはまっていました（苦笑）」

ゆま「ええ――!?」

渡辺「確かに聞こえは悪いかもしれませんが、僕自身は、何かに依存することは悪いことでもないと思うんです。もちろん、多額の借金を抱えて他人に迷惑をかけたり、犯罪に走ったりするのはいけませんよ。でも、一つのことに依存するぐらい夢中になるのは、むしろ、いいことだと思うんです」

ゆま「そうかも……誰だって、何かに依存して生きていますもんね」

渡辺「僕の知り合いの芸人に『流れ星☆』のちゅうえい、という男がいるんです」

ゆま「人気ですよね！」

渡辺「はい。彼もパチスロ大好きで、昔は“ギャンブルと金のことしか考えない”と豪語していたんです。ところが、芸人として売れて、収入も安定して、借金も完済したとたん、“最近は考えることがなくなった”と、まるで赤ん坊のようにキョトンとしてしまって……（笑）」

ゆま「夢中になれることがなくなって、心にポッカリ穴が空いたんですね……」

■老後はギャンブル！遊びこそ真剣にやれ

渡辺「仕事人間だった方が、定年退職後、“やることがなくて虚しくなった”と、よく言うじゃないですか。だから、人間は何かしら夢中になれることがあったほうが、人生に張り合いもあって、楽しいんです。僕は老後こそ、ギャンブルをすべきだと思いますね。ちなみにですが、藤子不二雄Ａ先生も、“遊びこそ真剣にやれ”と、おっしゃっていますよ」

ゆま「おおっ、また出ました、名言。確かに、遊びを一生懸命やるのって素晴らしいです。ちなみにギャンブルに夢中な人は、浮気しないんですか？」

渡辺「ギャンブルのことで頭がいっぱいなので、そっちに関する興味が薄れるんですよね。ただ、一つ思うのは、浮気好きの方もギャンブル好きの方も似たところがあると思います」

ゆま「どこがですか？」

渡辺「結局、男ってスリルを求めているんです。どんなにお金を持っていても、ギャンブル好きはやめません。賭ける金額が大きくなるだけで、常に勝つか負けるかの瀬戸際で、ヒリヒリしていたいんです。浮気する人も同じなんじゃないかな。バレるか、バレないかのヒリヒリを、楽しんでいる部分があるように思えます」

ゆま「もう、男の人ってホント、困りますね（笑）。でも、きっと、いつも戦っていたいんですね。今日はギャンブルを通して、いろいろ人生を学べた気分で、楽しかったです」

渡辺「こちらこそ、すごく話しやすくて楽しかったです。ありがとうございました！」（おわり）