ロシアでヒグマとホッキョクグマが交配、気候変動に対抗!?新たなハイブリッド生物「ブロラーベア」とは (2/3ページ)
NASAによれば、今年北極の冬の海氷は史上10番目に少なく、ウェールズの40倍もの面積がなくなっていることが確認されたという。NASAは「北極海氷の減少は、大気中に熱を閉じ込めて気温を上昇させる二酸化炭素の排出など、人間の活動による温暖化に関連している」とコメントしている。
また、SBRASの永久凍土研究所によると、サハ共和国全域の年間平均気温は、過去50年間で1.1度上昇し3.4度になった。
生息環境が変化した結果、ホッキョクグマはより多くの食料を求めて内陸に向かうことが既に知られている。またヒグマも温暖化により北へ狩りに出るようになり、生息地が重なり互いに遭遇する機会が増えた。さらにヒグマやグリズリーはホッキョクグマと異なり、植物の塊茎のような硬い食べ物を食べたり、資源が限られているときに死骸をあさるためより環境に適応できる。
これらのことから、ハイブリッド種であるブロラーベアはホッキョクグマよりも食生活や気候の変化に適応する能力が高く、遺伝子を維持するのに役立つ可能性があるとみられている。
一方で、専門家からはヒグマの個体数はホッキョクグマの数を大幅に上回るため「交雑種が生まれる前にホッキョクグマを食べ尽くしてしまう」可能性があると警告している。生息圏の縮小は近親交配、つまり子孫の繁殖力の低下、そして共食いを余儀なくされていることが研究により判明している。
2020年の研究では、北極圏の海氷が地球温暖化によって減少し、ホッキョクグマの個体群が2100年までに絶滅する危険があると警告された。また、トロフィーハンティングを含む密猟や環境汚染などのリスクもある。温暖化の影響を何よりも受けるのは、自然や野生動物たちなのだ。
山口敏太郎
作家、ライター。著書に「日本怪忌行」「モンスター・幻獣大百科」、テレビ出演「怪談グランプリ」「ビートたけしの超常現象Xファイル」「緊急検証シリーズ」など。