「海の中に口座を作る」お金がなくなる不安からの解放を目指す実験とは (2/2ページ)

新刊JP

ただ、数日間続けるうちにコツを掴んだのか腕を上げた著者は、こんな生活ができるようになったという。

午前中に獲った魚を昼に焼いて食べ、少し浜辺の岩陰で昼寝などをしてから、また数時間ほど潜って、夕食を探す。私はすっかり社会生活の枠外の人となっていた。
こうして思ったのは「磯の経済はコスパがよすぎる」ということである。(中略)ヤスと水着、そして水中眼鏡さえあれば、簡単に海の中に「口座」を開くことができる。(P41)

魚突きのコツを掴んでしまえば、食べたい時に海に潜って魚を捉えることができる。海辺には「野生のウーバーイーツ」のように波が海藻を運んでくる。それは海という「残高」が豊富にある口座から好きな時にお金を引き出すようなもの。そう考えてみると、日々の食費のためにあくせく働く必要など、本当はないのかもしれない(なかなか実行に移す決断はできないが)。

食べ物の調達だけでなく、衣服を着ること、お金を得ることについても、著者は「生活」から脱出し、独自の考察を重ねながら、現代人に特有の「ストレス」や「不安」からの脱出を試みる。読み手からすると実践的な内容ではないかもしれないが、それでも「まあ、いざとなったらこれもあり」「こんな考え方もできるのか」という発見はあるはず。

毎日に閉塞感を感じている人は、本書を読めば少しだけ人生の風通しが良くなった気がするはずだ。

(新刊JP編集部)

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