俺たちの泰時の面影が今も残る…鎌倉幕府三代執権・北条泰時の菩提寺「常楽寺」に行ってみた (2/3ページ)
厳粛な気持ちで仏殿に入ると、木造の阿弥陀如来と両脇侍像が目に入ります。中央の阿弥陀如来座像は像高70cm、左右の観音・勢至菩薩像は同85cm前後で、作風に中国・宋の影響があり、鎌倉時代の仏師・定慶の作とされています。
2012年2月、この仏像の台座部分に「仁治三(1242)年六月十二日」と墨書されていることが判明し、鎌倉市の有形文化財に指定されました。台座に書かれていた年月日は、泰時の出家(仁治三年五月九日)の33日後、死(仁治三年六月十五日)の3日前にあたることから、これらの仏像は、泰時が極楽往生を祈願して造立したものと考えられています。
仏殿の天井には、雲龍図が描かれていました。この作品の龍は、狩野雪信の作とされ、両眼に睛(ひとみ)がありません。その理由として、夜になると龍が動き出したため、両目の視力を奪われたと伝わっています。
「画竜点睛」という言葉があるように、もしかしたら、絵に魂が入って、飛び去ってしまうことを恐れて、意図的に睛をいれず、最後まで完成させなかったのかもしれません。


