海賊に見つからないよう巨岩を使って家を偽装。ギリシャ、イカリア島の人々の暮らしの知恵 (1/6ページ)

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海賊に見つからないよう巨岩を使って家を偽装。ギリシャ、イカリア島の人々の暮らしの知恵
海賊に見つからないよう巨岩を使って家を偽装。ギリシャ、イカリア島の人々の暮らしの知恵

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 それは岩だらけのイカリア島ならではの究極のカモフラージュ術。海賊たちの侵略を恐れた島民の必死の策は、住み慣れた海岸の家を捨てるという大胆な戦略だった。

 エーゲ海に浮かぶギリシャの島、イカリア島の内陸には巨岩と一体化した奇妙な家がいくつもある。それらはすべて昔この島で行われていた海賊対策の名残だ。

 恐ろしい海賊の目にとまらぬようにと、島民たちは約300年にわたり岩に偽装した家で「放棄された島」を装い続けたのだ。

・紀元前1世紀から海賊に悩まされていたイカリア島
 エーゲ海に浮かぶ美しい島、イカリア島は長きにわたり海賊に狙われ続けた島の一つだった。

 エーゲ海を故郷とかたる海賊がいつこの島に目をつけたのかは不明だが、イカリア島では紀元前 1 世紀のころにはすでに海賊の被害を訴えていたという。

 その襲撃がより激しくなったのは14 世紀のころだ。この島がジェノバ共和国の一部になった後、海賊行為はさらにエスカレートし、耐えられなくなった島民は侵入を阻止するために自ら港を破壊した。

 だが残念なことにこの措置も決定打にはならず、島がオスマン帝国の配下になっても、海賊のほうは相変わらず島を襲い続けた。
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