M-1ファイナリストのガチ分析!「敗者復活枠はオズワルド、優勝候補は…」18日放送『M-1グランプリ』予想

日刊大衆

※画像は『M-1グランプリ2022』公式ホームページより
※画像は『M-1グランプリ2022』公式ホームページより

 12月18日(土)の午後6時34分より、『M-1グランプリ2022』(以下『M-1』)の決勝戦がテレビ朝日系で生放送される。

 今年のファイナリストはウエストランド、男性ブランコ、さや香、ロングコートダディ、キュウ、真空ジェシカ、ダイヤモンド、カベポスターヨネダ2000、当日決定する敗者復活枠の計10組だ。

 敗者復活をのぞいた9組のうち、ファイナリスト経験者はロングコートダディと真空ジェシカ、ウエストランド、さや香の4組で、他の5組は決勝戦初出場となる。

 激戦が予想される今年の『M-1』を制すのは誰なのか――。

 本サイトは、2015年の『M-1』ファイナリストで、お笑いコンビ・馬鹿よ貴方は新道竜巳氏(45)に取材。『M-1』の優勝候補や敗者復活候補、今年のファイナリストの特徴などを深掘りした。

 新道氏がまず指摘したのは、今回のファイナリストには「漫才のテンポがゆっくり」な芸人が多いことだ。

「今回、テンポがゆっくり目の漫才をする芸人が多いですね。スピード感が持ち味のネタを披露するコンビは、ウエストランドさんとさや香さんの2組のみ。

 “脱力”とまでは行かないにせよ、早いテンポでボケを多く打つタイプの方が少ないので、一番手がローテンションで会場をつかみきれないままだと、すべての組が共倒れになってしまいそうな気配がします。例年にない緊張感で、なおさら決勝戦が見たくなってきています」(新道竜巳氏=以下同)

■今年は「ゆっくり系」のコンビが多数、優勝候補は……

『M-1』の決勝戦は、生放送中の笑神籤(えみくじ)というクジ引きで出演順が決められる。この出番の順序が、審査に大きな影響を与える可能性があるという。

「配信で準決勝を見た限り、ゆっくり系のいくつかのコンビはネタの構成が似ていたんですよね。もちろん具体的な内容は全く違うんですが、審査員から見て“この人たちもゆっくり系だし、構成が似ているな”と思われたら危ない。ゆっくり系のコンビが続いたあとの5、6番目あたりにウエストランドさん、さや香さんのようなスピード感があるネタが披露されたら、爆発する可能性もある。

 ただ、逆もまたしかりで、1,2番目でスピード感があるコンビが終わってしまうと、その後、ゆっくり系のコンビは、全員印象が残らずに流れてしまうことも想定できますね。僕は“お笑い”には緊張と緩和が大事だと考えています。直前にネタを披露したコンビとスピードが違うと"おっ、なんだ?”と引きつけることができる。やはり、台本がどれだけ良くても出順に大きく影響されますね」

 そんな今年のM−1で、新道氏が優勝候補として挙げるのが真空ジェシカだ。真空ジェシカはガク(32)と川北茂澄(33)のコンビで、『ラヴィット!』(TBS系)などの出演などでも、人気を博している。

「真空ジェシカさんは、ゆっくり系の中でもボケが多いので、1つのボケがウケなかったとしてもベルトコンベヤーのようにすぐに次が来る。仮に会場が温まらないまま、ゆっくり系の漫才が全て横並びのウケ具合だった場合にどこが評価されるかというと、“ネタの中でいかに多く手数が打てているか”という点ではないかと思います。そのため、今年は真空ジェシカさんが優勝するのではないか……と思いました」

■準優勝はキュウ、3位にはさや香

「もし全体が重くて盛り上がらなかったときに、“ネタの印象、構成”という評価軸が重要になると思うのですが、そこで浮かび上がるのがキュウさんですね。キュウさんは最初のつかみのフレーズから独自の切り口で展開していって、芸人が好きな感じのネタです。全体的に同じウケ具合だった場合、ボケの手数はそんなに多くないですが、印象に残る漫才をしているキュウさんが評価される可能性が高い。2位、準優勝を予想します。

 さらに、キュウさんのネタは作品性が高くて手間暇かけているな、って伝わってくるんですよね。手縫いの財布を買ったときの満足感というか、量産品とは違う感じがトリコになりやすい。『M-1』をきっかけにして、爆裂に人気が出るんじゃないかと思っています」

 そして、今回最終決戦に進む3組のうちの1組は、2017年にもファイナリストだったさや香ではないか、と新道氏は語る。

「ゆっくり系の漫才が多いので、最終決戦の3組のうち1組はスピード感があるネタのウエストランドさん、さや香さんのどちらかが選ばれると思います。その二択だと、自分の中ではさや香さんになるのかなというイメージがあって……。なので、3位はさや香さんと予想します」

■敗者復活は順当に行けばオズワルドだが……

 昨年度は、芸歴15年目で『M-1』出場ラストイヤーだったハライチが敗者復活から勝ち上がったが、今年その切符を手にするのは誰なのだろうか。

「敗者復活枠は去年のハライチさんが特例みたいなもので、だいたい前年度のファイナリストだったコンビが進出しています。それで言うと今年の該当者はオズワルドさんで、順当に行けば決勝に出場できるのではないでしょうか。

 敗者復活枠に前年度のファイナリストが勝ち上がるのは、知名度が『M-1』で上がったぶん周りも応援してくれるし、自分たち自身のネタ創作意欲も上がって他よりがんばる、という流れがあるからだと思います」

 2021年はハライチが敗者復活枠から勝ち上がったが、2020年は前年度ファイナリストのインディアンス、2019年も前年度ファイナリストだった和牛が勝ち上がった。2018年の敗者復活枠・ミキも2017年の決勝戦に進出している。

 しかし、オズワルドの畠中悠(35)は8月31日放送の『あちこちオードリー』(テレビ東京系)で「今現状『M-1』で勝てるようなネタない」と話しており、多忙な中で『M-1』で勝負できるようなネタを考えることもままならないことが分かっていた。

■不調だった場合にはコウテイ、ななまがりが猛追か

「本人たちも言っていたように、オズワルドさんは勝負ネタができていないらしいので、優勝できるかどうかは分からないです。準々決勝で披露したネタを見たときに、"ネタできたんだ”と思ったのですが、準決勝で披露していた別のネタでは、いつものオズワルドさんほどブチ上がることもなく……。

 敗者復活戦の中で2番目にウケていたら、オズワルドさんが1位通過しそうですが、そもそも2番目にウケるのも相当大変なんですよね。もしオズワルドさんの調子が悪かったら、テレビや劇場でめちゃくちゃウケているコウテイさん、ななまがりさんが勝ち上がることも十分考えられます」

 12月11日、審査員を勇退したオール阪神・巨人のオール巨人(71)と上沼恵美子(67)に代わり、博多華丸・大吉博多大吉(53)と山田邦子(62)が新たに審査員に加わることがわかった。2001年の初回から2010年、そして2015年から今年に至るまで数多くのレジェンド芸人を送り出してきた『M-1』だが、新しい風を吹き込むことはできるだろうか。

「個人的には、審査員の方はもう全然違う畑の人でもいいのかもしれないと思っていて、マツコ・デラックスさん(50)、ゆたぼんさん(14)なんかいいんじゃないかと。実現は難しいと思いますが、一般の高校生代表みたいな人に、”誰が一番面白かったか”といった視点で審査してもらうのも面白いんじゃないでしょうか。

 生放送は編集できない点に魅力があると思っていて、”ほどよく面白く見終わる”っていう予定調和がぐしゃぐしゃに壊れるようなことが起きてもいいんじゃないかとは思いますね。たとえば、全スベリになって”優勝者をジャンケンで決める”っていうのも面白いと思います。何かが起きて全体が震えるって回もあってもいいのかなと思いますね」

 今年の『M-1』にエントリーしたコンビは、過去最大の7261組。決勝戦にたどり着いた9組と敗者復活枠の1組は、約726倍もの倍率を勝ち抜いたことになる。

 彼らの健闘を見守りたい――。

新道竜巳(しんどう・たつみ)
お笑いコンビ・馬鹿よ貴方はとして平井“ファラオ”光と共に活動している。
2014年度『THEMANZAI』決勝進出、2015年度『M-1グランプリ』ファイナリスト。プロのお笑い芸人でありながら、お笑いファンとして自身の『note』で賞レースの解説を執筆したり、トークライブ『新道竜巳の喋喋喋る』や、新進気鋭の女芸人を集めたお笑いライブ『新道竜巳女芸人フェス』の企画・実行を担当したり、その活動は多岐にわたる。

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