「描きたいもんを描くために、これからしばらく生活費入れへんわ」漫画家・カンバラノリオ「遊んで生きる」人間力 (2/2ページ)
そんな中、妻の連載まで終わってしまって……。
これはさすがにアカンと、いったんゴルフから離れて、宅配業者で夜間の仕分けバイトをやることにしました。数か月間、肉体労働をしているうちに体がリセットされて、ゴルフの飛距離が伸びたのには、びっくりしましたね(笑)。
あるとき、僕は面白そうなストーリーを思いつきました。
僕ら家族が住んでいるのは2棟ある大型マンションなんですけど、この中のあっちこっちで不倫とかがあったら、おもろくなるなぁ、そういえば僕が子ども時代を過ごしたマンションでも、駆け落ちとかあったってオカンが言うてたなぁ、と。
でも、僕の絵じゃアカン。女性の裸をきれいに描ける……そうや、ウチの嫁さんに描いてもらおう!
最初、妻は渋ったんですけど、なんとか1話だけ描いてもらって、ゴルフ友達でもある編集者に見せたんです。
ゴルフ場の帰り、特急列車を待ちながら、そば屋で一杯やってるときに「ちょっとこれ、見てくれへん? おもろいと思うんやけど……」と、切り出したところ「メッチャ、おもろいです!!」と言ってもらって、連載することになりました。『ヤバマン サレ妻の秘密の離婚準備』は、そんなふうに始まりました。
僕が原作を描いて、妻が絵を描く。楽ですよね(笑)。だって、アイデアを出してコンテを作って……という作業は自分で描く場合もやるわけで、一番、しんどいのは、絵を描く作業。完全に体力勝負ですから。
今は『ヤバマン』の原作を書いて、ゴルフをやって、という毎日。僕は遊んで人生を送れたらいいと思っていて、一番、楽しい遊びがゴルフなんです。でも、この年齢になったら、全然、働かないで遊んでいるわけにも行かないので、いいバランスなのかな。
こうやって振り返ってみると、よくここまで妻に捨てられずに過ごしてきたなと我ながら感心しますね。たぶん、それは僕の「人間力」のおかげなんやないかと思いますね(笑)。
カンバラノリオ(かんばら・のりお)
1972年生まれ。大阪府出身。1996年に『ビックコミックスピリッツ』準スピリッツ賞受賞、2000年に「アフタヌーンシーズン増刊」四季賞を受賞。主な作品に『西校ジャンバカ列伝かほりさん』『世界に羽ばたけ轟先生!』など。原作者として、漫画アクションで『ヤバマン サレ妻の秘密の離婚準備』を連載中。