江戸時代におこった幽霊や妖怪などの怪談話ブーム (2/2ページ)

心に残る家族葬

その彦五郎の後妻は、とてもよくできた人で、亡くなった最初の妻のことを懇ろに供養した。最初の妻は双六遊びがとても好きで、亡くなった当初は毎晩幽霊となって出てきては下女と双六遊びに興じていた。しかし、やがて周囲の心遣いに感じて、幽霊として現れることをやめた。後妻は双六の盤を作って、最初の妻の墓に供えた。

■怪談話から感じる供養の大切さ

最初の宗兵衛の妻の話から、幽霊の復讐の原因が、生前の夫宗兵衛の非情な行いと供養の放棄であることが分かる。一方で、双六遊びが好きな彦五郎の妻の話では、亡くなった当初こそ双六への未練で幽霊として現れたものの、彦五郎や後妻による丁寧な供養により、顕現することはなくなった。幽霊の行動を左右するのは供養の有無であり、それはつまり、死者への思いやりの有無でもある。死者を蔑ろにすることなく、大切に供養することが、亡くなった者の心を癒すとされていたことが分かるだろう。

■参考資料

佐藤弘夫 著『人は死んだらどこへ行けばいいのか: 現代の彼岸を歩く』興山社 2021年5月

「江戸時代におこった幽霊や妖怪などの怪談話ブーム」のページです。デイリーニュースオンラインは、社会などの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る