抜けた歯を「屋根の上」「縁の下」へ投げる理由。あの風習の由来は?海外ではどうなの?
古い歯は屋根の上や縁の下へ…
子供の乳歯が抜けると、「屋根の上へ投げる」「縁の下へ入れる」などの昔からの風習があります。子供の頃にやった人も多いのではないでしょうか? あの習慣にはどんな謂れがあるのでしょうか。
日本では、上の歯が抜けると縁の下に投げ、下の歯が抜けると屋根に放り投げます。その理由は、新しく生えてくる歯は古い歯がある方向へ伸びるという言い伝えがあるからです。
つまり、抜けた上の歯が下にあると、新しい歯は下方向に向かってぐんぐん伸びるのです。また反対に、抜けた下の歯が上にあることで、新しい歯は上方向に向かってぐんぐん伸びていく、と考えられているのです。
また、投げる際に「ねずみのような歯が生えますように」と願をかけたことがある人も多いでしょう。
これもまた、強靭な歯を持つねずみにあやかり、健康で強い歯が生えてくるようにという願いが込められています。
ねずみ嫌いの人は、あまりいい気持ちにはならないかも知れませんが……。
抜けた歯は外国ではどう扱う?ところで、実は抜けた歯を屋根に放り投げる国は日本だけではなく、世界で20カ国以上もあります。特に中国やタイ、シンガポールなどのアジア圏の国では、下の歯を屋根に、上の歯を縁の下や地面に投げるという点まで共通しています。
では、ヨーロッパ圏では抜けた歯はどのように扱われているのでしょうか。
アメリカやヨーロッパでは、歯が抜けると枕の下に入れておくというのがメジャーな方法のようです。
また、ねずみにあやかってねずみの通り道や巣の近くに置いて歯を持ち去ってもらう国もあります。アジアでもヨーロッパでも、歯をどこかに投げたり、ねずみにあやかるという点は共通しているんですね。
他にも、抜けた歯を太陽に向かって投げる国、ペンダントなどのアクセサリーに加工してプレゼントする国もあります。フランスやアルゼンチンでは、お菓子がもらえることもあるようです。
「お金がもらえる」という伝承もさてヨーロッパ圏で主流とされる、抜けた歯を枕の下に入れるという方法には続きがあります。なんとアメリカでは抜けた歯を枕の下に入れてそのまま一晩眠ると、夜中にトゥースフェアリー(歯の妖精)がやってきて、抜けた歯と引き換えにお金を置いていってくれるというのです。
虫歯がない綺麗な歯だとその金額が増えることもあるといい、そんな言い伝えがあれば子ども達もしっかりと歯を磨くようになるでしょうね。ここには、「いかにして幼い子供に歯磨きを習慣づけさせるか」という切実なテーマが潜んでいるようにも感じられます。
きっと子供が歯磨きを嫌がるのも、それでも大人がなんとか教え込もうとするのも、古今東西で共通していることなのでしょう。
また、アジア圏では子どもの歯がしっかり生えてくるようにという願いが込められていましたが、ヨーロッパでは、子どもが将来お金に困らないようにという願いも込められているのかも知れません。
近年は日本でもマンション住まいの人が多く、縁の下や屋根の上が身近にないことも多いでしょう。トゥースケースという、抜けた歯を保存できる入れ物を使用して大切に保管する人も増えています。
時代や国によって抜けた歯の扱い方は違うものの、子ども達の健康や明るい未来を祈ることに変わりはありません。
参考資料
和じかん.com
歯とお口のことなら何でもわかる テーマパーク8020
デンタルオフィス薬院
日本の文化と「今」をつなぐ - Japaaan