「志村けん」モノマネ芸人レッツゴーよしまさ「昭和歌謡って情緒的に愛を表現していて…そこがいい」(後編)
前回に続いて、志村けんさんのモノマネで大ブレイク中の芸人、レッツゴーよしまささんとの対談です。子どもの頃から、志村さんのことが大好きで、テレビはもちろん、雑誌のインタビュー記事まで入念に読んできたという、レッツゴーさん。他の芸能人からも、「志村さんが憑依している」と評判のようです。今年元日放送の『ものまね芸人216人がガチで選んだ いま本当にスゴイ!ものまねランキング2023』(テレビ東京系)でも、1位に輝かれています。今回は、そんなレッツゴーさんのモノマネ人生の始まりから聞いてみました。
ゆま「昔から、モノマネは得意だったんですか?」
レッツゴー(以下、レ)「そうですね。小学生の頃は、よく先生のモノマネをしていましたね」
ゆま「アハハ。クラスに一人はいるタイプですよね。きっと、すごく上手だったと思うんですけど、誰かのモノマネをするときって、何かキッカケはあるんですか?」
レ「クセですね」
ゆま「クセ?」
レ「人のクセを、つい見てしまうんです。しゃべり方に、ちょっと特徴があったり、歩き方が、やたら早かったり、何かしらの“違和感”を覚えたときに、モノマネがしたくなるんです。そもそも、モノマネというのは、“違和感”から生まれると思うんです」
ゆま「なるほど〜。それって、人をよく観察しているってことですよね」
レ「うーん。よく言えば、そうですけど、僕の性格が悪いだけだと思いますよ(笑)。結局、それって、人のクセを茶化しているというか、揚げ足を取っているのと同じなんです。だから、僕はモノマネをする相手は、自分より偉い人、目上の人に限るんです。後輩とか、年下の子に、それをやると、イジメになりますから」
ゆま「確かに!」
レ「僕は、これって、『ザ・ドリフターズ』の構造と同じだと思うんです。いかりや長介さんという絶対的なリーダーを、ドリフのメンバーが茶化すことで笑いを取っているような……」
ゆま「分かります。誰から見ても偉い人を茶化すのって、面白いですもんね」
レ「もちろん、そこには尊敬の気持ちがあるからなんです。僕もそうですが、嫌いな人のモノマネはできないんです。嫌いだったら、そこまで見ませんから。好きで憧れているからこそ、その人のクセも探してしまうんです」
ゆま「モノマネのレパートリーも、『ザ・ドリフターズ』のメンバーをはじめ、美川憲一さんや吉幾三さんなど、昭和の大スターが中心。それだけ昭和のバラエティや、歌謡曲が昔から好きだったということですか?」
レ「はい。高校の学園祭でも、大好きだった昭和歌謡のモノマネショーをやったんですが、同級生にはまったく受けず、保護者ばかりが楽しんでいました(笑)」
ゆま「アハハ! 私も昭和の歌謡曲が好きですけど、どういうところに魅力を感じられるんですか?」
■昭和世代もうなずく憧れのアイドルとは
レ「昭和歌謡って、作詞家、作曲家に、ちゃんと専門家がいたんですよね。それこそ、人生経験豊富なオジサンたちが作っているから、深みがあるんです。最近の歌は“愛してる”という言葉も簡単に使いますけど、昭和歌謡はもっと遠回しに、情緒的に愛を表現しているんですよね。そういう世界観に、僕はグッとくるんです」
ゆま「いいですねー。レッツゴーさんの昭和愛がすごく伝わってきます。もしかして、好きなアイドルも?」
レ「はい。一番好きなアイドルは、南野陽子さんです」
ゆま「おおおっ! 志村さんの舞台『志村魂』でも、ご一緒させていただきました!」
レ「そうですよね! 実は僕、そのとき、南野さんの楽屋にあいさつしに行っているんです。写真も一緒に撮ってもらえて、本当にうれしかったですね。だけど、残念ながら志村さんには会えなくて……」
ゆま「ええ……(笑)。こんなに好きで、モノマネまでされているのに」
レ「はい……会いたかったです。でも、志村さんのモノマネをしていたおかげで、こうやって麻美さんにも会えました」
ゆま「私のことは……ご存じでした?」
レ「何をおっしゃっているんですか。僕らの世代の大スターじゃないですか! 僕は昭和歌謡も大好きですが、『恵比寿マスカッツ』の大ファンで、ライブにも行ったことがあります」
ゆま「ええ!?」
レ「野音(東京・日比谷野外音楽堂で行われたライブ)にも行きました」
ゆま「野音!? 私がやらかしたやつじゃないですか! 当時、私はリーダーで、みんなに“絶対にこけないでよ、サンダルは大丈夫?”って注意していたのに、私が冒頭の曲で盛大にズッコケる、という……」
レ「アハハ。すごく楽しかったです」
ゆま「もう〜。マスカッツのファンだったなら、最初に言ってくださいよ〜」
レ「言っていいのかどうか、迷っていました」
ゆま「とにかく、今日は本当にお会いできてよかったです。正直、志村さんが亡くなってから、今日の今日まで、向き合えなかったんです。ショックが大きすぎて……。でも、今日、こうやって志村さんのお話がたくさんできて、ようやく向き合えた気がします」
レ「(志村さんのモノマネで)いや、こちらこそ、ありがとうございました。やっぱり、お客さんの反応があるから、舞台はいいんですよね」
ゆま「やめて〜。また、泣いちゃうから〜!」(おわり)
れっつごー・よしまさ 1989年5月17日、埼玉県生まれ。太田プロダクション所属。志村けんのモノマネで大ブレイク中。レパートリーは、ザ・ドリフターズメンバーや小林幸子、美川憲一、沢田研二など多数。ユーチューブチャンネル『レッツゴーよしまさ』も大人気。