「地震をきっかけに移住4年間で得たモノは?」月亭太遊「九州から帰ってきた上方落語家の巻」珍談案内人・吉村智樹のこの人、どエライことになってます! (2/2ページ)

日刊大衆

ただ、フェリーに積み込む際、「これは、どういう種目の車両?」と運航スタッフが頭を抱えたという。

 このように地道な活動のかいあって、少しずつ九州にも彼の落語が浸透していった……のだが、状況が一変する。

「コロナ禍で、人前で落語ができなくなりました」

 緊急事態宣言・まん延防止等重点措置の影響で芸を披露できず、やむを得ず自室から落語の配信を始めた。オンライン落語は、なんと108日間も続いた。

「自分の中の蓄積が尽きた気がしました。関西の寄席で、もう一度、落語を磨きたいと思い、戻ってきたんです。ただ、九州で過ごした4年間は本当に勉強になりました。周りに芸人が一人もいない状況で、一般の方々と触れ合ううちに、落語に登場する人物像が、よりリアルになった。以前よりも落語がウケるんです」

 周囲に芸人がいないからこそ、庶民像をしっかり描けるようになったという。「話芸の修業とは何か」を、改めて考えさせられた。

よしむら・ともき「関西ネタ」を取材しまくるフリーライター&放送作家。路上観察歴30年。オモロイ物、ヘンな物や話には目がない。著書に『VOW やねん』(宝島社)『ジワジワ来る関西』(扶桑社)など
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