「目指すは駿府……出陣！」

武田信玄(演：阿部寛)の号令一下、ついに始動した甲州軍団。

瞬く間に駿府を攻略、天下に精強さ(並びに周到な調略)を見せつけましたが、彼らを率いる将たちの姿があまり見られません。

これまで信玄の家臣は山県昌景(演：橋本さとし)・穴山信君(演：田辺誠一)・望月千代(演：古川琴音)しか名前が出ておらず、軍議の場にもモブキャラ扱い(氏名不詳)の3名が同席するばかり。

予算やキャストの都合もあるのでしょうが、出来ればこの機会に武田が誇る名将たちを拝ませて欲しいところ。

そこで今回は、後世に言う「武田二十四将」の中から誰が登場するかしないかを一挙に予想。NHK大河ドラマ「どうする家康」を楽しむ一助となれば幸いです。

現時点で生き残っている武田二十四将は？

まずは、いわゆる武田二十四将ならびに同図に描かれる武将たちの中から、第11回放送「信玄との密約」時点(永禄11・1568年)で存命の者をピックアップしましょう。

武田神社蔵 武田二十四将図

真田幸綱（さなだ ゆきつな）　天正2年(1574年)没　病死 三枝昌貞（さいぐさ まささだ）　天正3年(1575年)没　長篠の合戦で討死 真田信綱（さなだ のぶつな）　　　〃 土屋昌続（つちや まさつぐ）　　　〃 内藤昌秀（ないとう まさひで）　　〃 馬場信春（ばば のぶはる）　　　　〃 原昌胤（はら まさたね）　　　　　〃 山県昌景　　　　　　　　　　 　　〃 秋山虎繁（あきやま とらしげ）　天正3年（1575年)没　岩村城の合戦で刑死 春日虎綱（かすが とらつな）　　天正6年(1578年)没　病死 小山田虎満（おやまだ とらみつ） 天正7年(1579年)没　病死 小幡昌盛（おばた まさもり）　　天正10年(1582年)没　病死 一条信龍（いちじょう のぶたつ）　天正10年(1582年)没　甲州征伐で討死 小原継忠（おはら つぐただ）　　　　〃 武田信廉（たけだ のぶかど）　　　　〃 小山田信茂（おやまだ のぶしげ）　天正10年(1582年）没　武田を裏切った罪で処刑 穴山信君　天正10年(1582年)没　本能寺の変に関連して横死 小幡信貞（おばた のぶさだ）　天正20年(1592年)没　病死 真田昌幸（さなだ まさゆき）　慶長16年(1611年)没　配流先で病死

この内、家康や徳川家との絡みが少ない病死の者を除外すると……

【長篠の合戦で討死】
三枝昌貞、土屋昌続、内藤昌秀、馬場信春、原昌胤、山県昌景、真田信綱

【岩村城の合戦で刑死】
秋山虎繁

【甲州征伐で討死】
一条信龍、武田信廉、小原継忠

【甲州征伐後に処刑】
小山田信茂

【本能寺の変で討死】
穴山信君

【配流後に病死】
真田昌幸

ただし、徳川家との因縁深い真田昌幸については登場の可能性があるため残しました。

個々の合戦から検証してみる

多くの名将たちが失われた長篠の合戦。「長篠合戦図屏風」より

まずは長篠の合戦。徳川・織田連合軍の鉄砲を前に武田の騎馬軍団が壊滅、多くの名将が生命を落としました。

山県・真田・原・馬場・内藤・三枝・土屋。既出の山県ほか、2〜3人に絞ると考えたら、知名度の比較的高い馬場と内藤は濃厚でしょうか。

続いて岩村城攻め。このエピソードが採り上げられるか否か、秋山の妻で女城主となったお艶の方は信長の叔母。女城主が話題になりそうだから、登場するかも知れませんね。

そして甲州征伐。信玄が亡くなった直後に影武者を務めたとされる武田信廉は登場しそうです。

武田勝頼(演：眞栄田郷敦)を裏切った罪で処刑された小山田信茂は、もしかすると割愛されるかも知れません。いや、信長の苛烈な処断を示すために登場させるでしょうか。

そして既出の穴山信君(梅雪)、家康・秀忠を苦しめる真田昌幸……以上を踏まえて「どうする家康」登場予想はこちらになります。

【登場の可能性濃厚】
真田昌幸　武田信廉　内藤昌秀　馬場信春

【登場するかも？】
秋山虎繁　小山田信茂　真田信綱　原昌胤

【たぶん登場しないかも】
一条信龍　小原継忠　三枝昌貞　土屋昌続

果たして予想が当たるかどうか。皆さんは、どう思いますか？

これから徳川家康(演：松本潤)と本格的に激闘を繰り広げる武田軍の活躍が、今から楽しみですね！

※参考文献：

柴辻俊六ら編『武田氏家臣団人名辞典』東京堂出版、2015年5月 丸島和洋『戦国大名武田氏の家臣団 信玄・勝頼を支えた家臣たち』教育評論社、2016年6月

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